探偵 神宮寺三郎
新宿中央公園殺人事件
<目 次>
プロローグ 登場人物プロフィール 捜査方法 |
捜査ノート 事件解決のためのヒント これだけは覚えてほしい注意事項 |
オレ? 神宮寺三郎。
新宿の裏通りにオンボロ事務所を構えている私立探偵だ。事務所はうす汚いけれど、居心地はなかなかいい。だけど、うす汚い人間は大嫌いだ。わかるだろう?
だから、新宿に来てもオレの前ではオカシナことはしないでくれ、頼むから。思わずキミのことをブッ飛ばしてしまうかもしれないからな。お互い長い友達でいたいからね……。
<プロローグ>
一人の男が待っていた……。
公園に生い繁っている樹木の葉というのは、やっぱり緑色をしていたのだと、この季節になると、あらためて思い出す。小学生の頃に風景を写生する授業では水の色は青、太陽は赤、木は緑色に決まっていて、その色のクレヨンだけが減るのが早かったものだ。
この新宿中央公園のベンチにすわっていると、周囲の道路を走り過ぎる自動車の騒音が、耳に心地良い音に聞こえるほど遠くに聞こえ、高層ビルの立ち並ぶ、日本一の大都会の真ン中にすわっていることを、忘れさせてくれるほど、のんびりとした気分になるものだ。
光り輝くネオン、ハデな色をした看板、自動車のクラクション、人の話し声……。光と音が渦巻いている街とこの公園とが、同じ街にあることは、すぐには信じられないことだろう。この街には2つの、いや3つの、いや数え切れないほどの顔がある。
オレ? 神宮寺三郎。新宿に事務所を持っているおかげで、仕事にはあぶれないでいる私立探偵だ。
人は探偵のことを気安い相談所と思っているらしく、いろいろなことを頼んでくる。家出人捜しから、ボディーガードまで、いろいろと。そうそう、一昨日の雨の日には、表通りのバーのママが、飼っている子猫の姿が見えないので捜してくれと言ってきた。いくら生活のためには仕事を選ばないといっても、子猫捜しにはさすがのオレもまいったぜ。でも人のためになるっていうのは悪い気がしない、気分のいいものだ。おまけに、そいつが商売になればなおさらだ。酒もうまく飲めるというわけだ。
新宿中央公園からいくつもの高層ビルの下を、地震のことを考えながら歩き、電車のガードをくぐり抜けると、つい数分前とは全然違う顔を持った新宿駅東口に出る。新宿の街に共通していることは、どこでも、いつでも人があふれていることだ。特にこのあたり、新宿駅からオレの事務所のある歌舞伎町までは、何時でも人がいる。朝には朝の、夕方には夕方の、夜中には夜中の顔を持った人間が行き交っている。まったく、人間というのは忙しい動物だ。
忙しい動物の集る街のド真ン中に、オレの事務所がある。西口の近代的な高層ビルと共通しているのは、地震が来たら……、という心配だけだが、そこら中に人間の臭いが染みついている、なかなかの建物だ。暗く、急な階段を登り、中に入ると一人の男が待っていた。淀橋署の熊野刑事だ。待たされたことに腹を立て、文句を言って来たが、約束をした覚えもないので、知らん顔をしていると、急に態度が変わり、相談があるという。憎めない人だ。洋子の入れてくれたコーヒーを飲む間も与えてくれないほどに急いでいるらしい…。
話しを聞いて、いささか驚いた。
さっきまでオレが歩いていた新宿中央公園で事件があったというのだ。それも殺人事件が……。
被害者は若い女性というだけで、身許もわからなければ、証拠もないという。
畜生! やってくれたな。この街で、この新宿で! オレの庭先で殺人事件とは、いい度胸だ。やってやる、必ず犯人を捕えてやる!
熊野刑事、出かけよう! コーヒーは後回しだ!!
<登場人物プロフィール>
神宮寺 三郎 (じんぐうじ さぶろう) 29歳、私立探偵。頭脳明晰、行動力にあふれ、体力・精神力ともにタフな男。クールな性格を持つ反面、人情にもろいところもあり、いわゆる裏の世界に住む人間からも信頼が厚く、警察官にはできない聞き込みや捜査で、これまでにも数々の難事件を解決した実績を持つ、若き名探偵だ。日本一の繁華街・新宿歌舞伎町にオンボロながらも事務所を持ち、そこを拠点に独自の情報網で難事件に取り組んでいる。 淀橋署のベテラン・熊野刑事とは5年前に新宿で起きた事件で、捜査に協力して以来のつき合い。親子ほどに年齢が違う二人だが、最近では公私にわたって妙に気の合う飲み仲間でもある。新宿のバーのカウンターで、二人が肩を並べて飲んでいるのをよく見かけるという。 タバコはマールボロ、コーヒーはカプチーノ、酒はカミュが好みという。 | |
御苑 洋子 (みその ようこ) 22歳。神宮寺三郎探偵事務所のスタッフ。抜群の直感力で神宮寺の捜査の手助けをする。彼がこれまでに解決した難事件の中には、彼女が与えてくれたヒントによって解決したものも多くある。 学生時代にアメリカ留学の経験もあり、英会話はお手のもの。背が高く、美人でもあることから、うす汚れた探偵事務所よりも、他の仕事を熱心に勧めてくれる友人も数多くいるが、彼女には今の仕事があっているようで、耳を貸そうともしない。 | |
熊野 参造 (くまの さんぞう) 淀橋署の刑事。捜査畑一筋30年の大ベテラン刑事で、定年間近の55歳。 正義感が強く、一つ一つ証拠を積み上げていくことが捜査の基本であると、最近の若い刑事が楽をして捜査に当たろうとする姿勢を横目で見ながら、はがゆく思っている昔気質の刑事だ。 神宮寺とはよく一緒に酒を飲む仲ではあるが、近頃グチッぽくなったと親子ほど年の違う彼に言われるようになり、老いを感じてもいる。 |
高田 桃子 (たかだ ももこ) 21歳。新宿歌舞伎町のバー「イースト」の人気ホステス。明るく、イヤ味のない性格で多くのファンがいたが、新宿中央公園で死体で発見された。 | |
角筈 一郎 (つのはず いちろう) 25歳。K大学の学生であるが、学校にも行かず、毎日ブラブラしており、何回も落第している。殺された高田桃子とは恋人同士であった。 | |
柏木 大介 (かしわぎ だいすけ) 新宿のあちこちに土地やビルを持つ大資産家。彼の財産は一体どれぐらいあるのか見当もつかないほどだ。バー「イースト」の馴染み客。 | |
花園 町子 (はなぞの まちこ) 28歳。柏木大介の秘書をしている。彼の会社を実質的に動かしている、優秀なキャリアウーマンだ。 | |
代々木 一 (よよぎ はじめ) 桃子のつとめているバー「イースト」の店長。大のバクチ好きで、新宿の暴力団とのつき合いもあるようだ。 | |
大塚 恵子 (おおつか けいこ) バー「イースト」で桃子と一緒に働いている。桃子の良き先輩であり、また良き相談相手でもあった。 | |
風林 豪造 (ふうりん ごうぞう) 新宿に本拠地を置く暴力団「関東明治組」の親分。歌舞伎町に事務所を持っている。 | |
大久保 (おおくぼ) 新宿中央公園の管理人。 | |
京 玉男 (きょう たまお) 新宿KOホテルのフロントマン。 | |
阿佐ヶ谷 (あさがや) 新宿KOホテルの地下駐車場係。 | |
西口 忠夫 (にしぐち ただお) K大学の学生。角筈一郎の同級生でもある。 | |
中野 (なかの) 新宿KOホテルのルームサービス係。 | |
伊勢 丹治 (いせ たんじ) 三越 哲夫 (みつこし てつお) 事件当夜、近くの交番に勤務していた巡査。 | |
<捜査方法>
捜査を始めるためには準備が必要だ!
●ディスクシステムを起動させよう。
ファミリーコンピュータ本体とRAMアダプタ、ディスクドライブを正しく接続してから、本体のPOWERをONにする。するとマリオとルイージが追いかけっこをする画面が出るので、ディスクカードをSIDE Aを上にしてセット。特に裏表には注意が必要だ。画面がきちんと出ないときは、もう一度最初から接続をよく確かめながらセットしよう。
●物語はここから始まる ゲームは、新宿中央公園のスクロール画面からスタートする。そして、探偵事務所にもどると、そこには淀橋署の熊野刑事が! まず彼に、できるかぎりくわしく事件のことを聞いておこう。 ●GAME OVERになったら… ゲーム中に、さまざまなアクシデントによりゲームオーバーになってしまうと、エンド画面になる。ここでコンティニューを選んでAボタンを押せば、ゲームオーバーになる直前の段階から捜査を続けられるぞ。 ●ゲームを途中でやめるには… 今日の捜査は打ち切って、あとはまた明日にしよう。という時は、メインコマンドのなかから「そうさやめる」を選ぼう。処理画面になったら「セーブ」を選べば、その時のレベルやもちもの、メモの内容などがディスクに記録されるぞ。ただし、コンティニューの時も、セーブの時も、日付に+1日されるので気を付けよう! このゲームは15日から捜査が始まって、捜査打ち切りが30日。つまり捜査期間は15日間しかない。それ以上になるとゲームオーバーになってしまうぞ。 ●これが静止画面の操作だ!
●スクロール画面では…… このゲームでは、新宿中央公園のシーンが上下左右にスクロールする。十字ボタンでコントロールしよう。スクロール画面でAボタンを押せばスクロールが止まり、コマンドが使用できるようになる。そこからもう一度動きだそうと思ったら、「そうさにいく」で、「なかにはいる」を選べば、OK。スクロール画面の中央公園では、いろんな人たちがいるので、彼らにもちゃんと聞き込みをして、情報を集めよう。意外なことがわかるかも!? スクロール画面で人に話を聞く時には、話す相手にくっついて相手の方を見よう!
|