Advanced Dungeons & Dragons
ドラゴン・オブ・フレイム
ご使用の前に取扱い方、使用上の注意等、この「取扱説明書」をよくお読みいただき、正しい使用法でご愛用ください。
なお、この「取扱説明書」は大切に保管してください。
<目次>
<ゲームの始め方>
1 | .ファミリーコンピュータ本体の電源を切った状態で、ゲームカートリッジを入れます。 | |
2 | .本体の電源を入れます。 | |
3 | .タイトル画面があらわれます。このまま、すぐにスタートキーを押せばゲームに入ります。そのまま放っておけば美しく描かれた画面があらわれ、ふたたびタイトル画面にもどります。スタートキーを押さないかぎり、これは繰り返しておこなわれます。 | |
4 | .スタートキーを押すと下の画面があらわれます。 初めてゲームをプレイされる方は、“さいしょからはじめる”を、すでに何度かプレイしたことがあり、その時ゲームをセーブしておやめになり、続きからプレイされたい方は、前にセーブされた“まきもの(OLD)”の番号のところを十字キーで選択し、Aボタンで決定してください。 | |
5 | .“さいしょからはじめる”を選択すると、このゲームのオープニングが始まり、これまでの物語が説明されAボタンを押すことにより次の文章に切り替わります。文章が出ている時にAボタンを押していると、はやく読むことができます。 続きからプレイされる方は、前にセーブされた番号のところを十字キーで選択し、Aボタンで決定してください。尚、データがセーブされていない場合、さいしょから始まります。データがセーブされているかいないかは、“OLD”(セーブされている)、“NEW”(セーブされていない)でわかります。 |
<Ⅰ.イントロダクション>
A.これまでの経過
古の神々がクリンの人々を見捨て、<大変動>が起こってから300年余が経過した。神々の介入がなくなったことにより、<暗黒の女王>タキシスは邪悪なドラゴンを目覚めさせ、ドラコニアンの軍勢を組織して、<奈落>からその支配を広げようとしていた。ひとたび彼女の軍勢が勝利を得れば、女王は<奈落>から自由となり、クリンに降臨することが可能となる。女王のおそるべき力に対抗する唯一の手段は、古の神々への信仰を甦えらせ、ドラコニアンの軍勢に対抗する人々を結束させることだった。
タキシスに対する最初の行動はすでに成功していた。ミシャカルの円盤が取り戻され、ゴールドムーンは<大変動>後、初めての真の僧侶となったのである。しかし、そうしたザク・ツァロスへの侵入に成功した後、ゴールドムーンと“ランスの仲間たち”はドラコニアンの軍勢によって囚われてしまった。
すべてが無に帰すかと思われたものの、“ランスの仲間たち”はエルフによるドラコニアンの襲撃によって救われる。そして、彼らはさまざまな人々の協力を受けながら、スラ・モリの洞窟を抜けて、パックス・タルカスの城砦へと忍び込むことになった。そこで魔剣ワームスレイヤーを取り戻し、囚われた奴隷たちを解放して、抵抗勢力の再結集を計らねばならないのだ。
B.現在の状況
ゲームのスタート時点で、ドラコニアンの軍勢は北からエルフの地クォリノストを侵攻しようとしています。かれらはすでに南では古くからある城砦パックス・タルカスを抑えています。ドラコニアンはこうした軍勢と要塞の双方から、クォリネスティを押しつぶそうとしているのです。
侵攻を前にして、この地は混乱に陥っています。周囲には友好的な者も、敵対的な者もいるでしょう。エルフや遊牧民の勇敢な戦士たちは、邪悪な勢力に立ち向かおうとします。戦争の単なる被害者たちは侵攻してくる敵からひたすら逃げまどうでしょう。ありとあらゆるよこしまな生き物が混乱に乗じて、文明のなごりから略奪を繰り返しています。
ゲームを始めたあなたは使命を果たそうとして、荒野でいろんな者と出会うはずです。目的を果たすためには、そうした者たちと親しくなることも必要です。また、ある者は旅であなたを助けてくれるアイテムを渡してくれるでしょう。一方、剣や爪であなたを襲う者も多いはずです。出会ったときに相手が敵か味方かを知る唯一の方法は、用心しつつも実際に近づくことです。もちろん、攻撃してくる相手が邪悪な勢力と結んでいることだけはまちがいのないところでしょう。
旅の途中いろんな場所で、重要なアイテムが見つかります。これが目的を達成するための重要な鍵なのです。
C.アドバンスト・ダンジョンズ・&・ドラゴンズについて
この『ドラゴン・オブ・フレイム』や「ドラゴンランス戦記」は、TSR社のアドバンスト・ダンジョンズ・&・ドラゴンズ(AD&D)というゲームがもとになっています、AD&Dは世界で最も人気のあるロールプレイング・ゲーム(RPG)です。RPGでは、あなたはキャラクターの何人かをコントロールして、いくつかの可能性のある物語の展開を選択し、それがほどけていくのを楽しみます。
『ドラゴン・オブ・フレイム』は、RPGのそうした双方向的な要素を含んだアクション・ゲームです。コンピュータはもとのAD&Dの“命中”や“ダメージ”、“セービング・スロー”といったサイコロで決定する部分をすべて代行しますから、あなたは目に見えるシーン ―― 剣を持って突進してくるドラコニアンなど ―― に集中しさえすればよいのです。
D.ドラゴンランス戦記について
「ドラゴンランス戦記」はTSR社のゲームデザイン・スタッフとアーティストが生命を吹き込んだ世界です。それは長編小説、短編小説、テーブルトークやコンピュータのロールプレイング・ゲームなどの形になっています。『ドラゴン・オブ・フレイム』では、あなたはこの作品の中心プロットにそって、<暗黒の女王>タキシスからクリンを守り、戦い続ける“ランスの仲間たち”の役になるのです。
<Ⅱ.ゲームの遊び方>
このゲームはモンスターや宝にみちた危険であやしい世界での冒険を楽しんでもらうようデザインされています。プレイヤーは移動・戦闘をはじめ、魔法をかけたり、ポーション(飲み薬)を集めたりなど、さまざまなことができます。
こうしたことを楽しんでもらうために、プレイをコントロールする方法はできるだけ簡単になるようこころがけました。プレイ中にスタートキーを押すだけで、移動・戦闘の標準画面がメニュー画面(メインメニュー)に切り替わり、そこで選択をしている間はポーズ(休止)となり、その後メニュー画面で再びスタートキーを押すと、標準画面に戻れるというわけです。メニュー画面にはゲーム中、いつでも入れます。
A.フィールド移動
フィールド画面での移動は、図1のように十字キーで操作します。十字キーを押すことで、キャラクターはこれらの移動を行います。たとえば、十字キーの右を押せば、キャラクターが右に歩き、十字キーの上を押せば、そのキャラクターは向きをかえて上に歩きだします。
フィールドを歩いていると、人(NPC)がいたり、建物などがあります。人(NPC)は有効な情報を話してくれるので、なるべくその場所まで行ってみるとよいでしょう。人(NPC)から情報を得たいときは、その人(NPC)のとなりまで行き、その人(NPC)の方向に十字キーを押すことにより、その人(NPC)から情報を得ることができます。また、建物の中に入りたいときは、その建物のところに重なるようにするとその建物の中に入ることができます。
十字キー:「上」 | 上移動 |
十字キー:「下」 | 下移動 |
十字キー:「右」 | 右移動 |
十字キー:「左」 | 左移動 |
スタートキー | メニュー画面 |
セレクトキー | 使用しません |
Aボタン | 使用しません |
Bボタン | 使用しません |
<図1> |
十字キー:「上」 | 扉に入ります 上段攻撃 |
十字キー:「下」 | しゃがみます 下段攻撃 |
十字キー:「右」 | 右移動 |
十字キー:「左」 | 左移動 |
スタートキー | メニュー画面 |
セレクトキー | 使用しません |
Aボタン | ジャンプします |
Bボタン | 攻撃します |
<図2> |
チャーム・パーソン (魅了) | 人間型生物をその場に留めます | 消費量(中) |
スリープ (睡眠) | 低いレベルのモンスターを眠らせます | 消費量(中) |
マジック・ミサイル (魔法の矢) | 遠距離から攻撃します | 消費量(中) |
ウェッブ (蜘蛛の巣) | 敵を蜘蛛の巣に捕えてもがかせますが、強いモンスターならすぐに破ります | 消費量(大) |
バーニング・ハンド (炎の手) | 短距離の攻撃をします | 消費量(中) |
ファイアーボール (火の玉) | 長距離から爆発攻撃をかけます | 消費量(大) |
キュア・ライト・ウーンズ (軽傷治癒) | キャラクターの軽い傷を癒します。 | 消費量(小) |
ホールド・パーソン (金縛り) | 人間や人間型の生物をその場に留めます。 | 消費量(中) |
スピリチュアル・ハンマー (心霊の槌) | 魔法のウォーハンマーで、なげつけられます。 | 消費量(小) |
ブレス(祝福) | もっとも強力な<悪からの加護>の呪文です。 | 消費量(小) |
ディスペル・マジック (魔法消去) | 呪文の効果を消し去ります。 | 消費量(小) |
ヒール (癒し) | キャラクターのもとの活力ある体に戻します。 | 消費量(中) |
ターン・アンデッド (亡者退散) | アン デッド(亡者)を追い払ったり、破壊したりします。 | 消費量(中) |
キュア・クリティカル・ウーンズ (重傷治癒) | 軽傷治癒より強力なものです。 | 消費量(中) |
レイズ・デッド (死体蘇生) | 甦るときに失敗(システム・ショック)しなければ、死んだキャラクターが甦ります。 | 消費量(大) |
<Ⅲ.キャラクター>
ゴールドムーン ケ=シュ族の族長の娘、ゴールドムーンの未来は、結婚した相手が族長となることで、生まれたときから決まったようなものでした。しかし、誰も知らなかったのですが、神は彼女に違った運命をとらせることにしたのです。最初の兆しは、思いもかけなかったことに、ゴールドムーンが若い適齢期の戦士たちの中からではなく、リヴァーウィンドと恋におちたことから始まります。 リヴァーウィンドがゴールドムーンと結婚できる資格を示すため、探索の旅から帰ってきたときに、事態は大きく変化をみせました。彼の持ち帰った杖にはなんら特別な点はなく、族長はリヴァーウィンドに死刑を言い渡しました。部族の者が彼に石を投げ始めたとき、ゴールドムーンはリヴァーウィンドなしの人生など考えられないと思い、彼の腕に身を投じたのです。突然、杖はまばゆい青の閃光を発し、ふと気づくと2人は無傷のまま、村から何マイルも離れたところにたたずんでいました。 部族に拒否されたことから、2人は旅をし、杖の本質がなにか探そうとしました。旅の間に、彼らは<憩のわが家亭>での乱闘に巻き込まれ、「ランスの仲間たち」に救出されます。かくしてザク・ツァロスの廃墟へと向かう「ランスの仲間たち」の冒険物語が幕を開けます。おそるべき廃墟の地で<水晶の杖>は破壊されます。が、<ミシャカルの円盤>が取り戻され、ゴールドムーンは<大変動>後、初の真の僧侶となります。いまでは彼女はこじんで僧侶魔法を操れ、<ミシャカル>のおそるべき力を敵に向けることができます。 <AD&D 能力値>
<装備> レザー・アーマー クォータースタッフ+2 ミシャカルのメダリオン 僧侶系魔法 |
リヴァーウィンド 文字どおり、部族の部外者である一家に生まれついたリヴァーウィンドは、ケ=シュ族の社会では最下層に位置づけられていました。一家は族長の神性を拒否し、古の神々を最後まで信じていたのです。腕がたつのでなんとか生活は許してもらえていましたが、もしゴールドムーンとの愛がなければ、彼は孤独な人生を送ることになっていたでしょう。しかし、その愛ゆえに、彼は族長に彼女との結婚の許可を願い出たのです。 族長はリヴァーウィンドが結婚できる資格があるかどうかを調べるために試練を課しました。古の神が存在しているのなら、その証拠を持って帰ってくること。それが部族の民を納得させる強力なマジック・アイテムでなければ、帰ってきてはならぬこと。実際には、族長は2度と彼が帰ってくることはあるまいと考えていました。何か月もたち、族長の考えどおりにことが運ぶかにみえましたが、ゴールドムーンは決して諦めず、ついにその願いがかなえられるときがきたのです。 戻ってきたリヴァーウィンドは、出ていったときとはまったく変っていました。体はがっしりとし、体験したことで性格も変っていましたが、どこへいき、なにをしていたのかは思いだすことができません。彼の手には青水晶の杖が握られていましたが、その力を示すようにといわれても、何も起こりませんでした。リヴァーウィンドは、石打ちの刑に命じられました。石が雨あられと注ぐ中、ゴールドムーンが彼のもとに飛び込んだとたん、杖は青い閃光を発し、2人は村を遠く離れた場所へとテレポートされていたのです。 後になって、「ランスの仲間たち」が集まり、ザク・ツァロスへ向かったときになって、ようやく彼は、杖を得たのがその廃墟となった都市だったことを思いだします。仲間たちとの冒険のさい、彼はドラコニアンによってはたらかれたひどい破壊の跡を目の当たりにします。こうしてリヴァーウィンドの人生の目的は、ゴールドムーンを守ることと、ドラコニアンを倒すことになったのです。 <AD&D 能力値>
<装備> レザー・アーマー&シールド ロングソード+2 (ダメージ1~8) 弓および矢20本 (ダメージ1~6) |
レイストリン レイストリンは生まれたときには虚弱すぎて、ながくは生きられないだろうと思われていました。しかし、姉キティアラの努力と、双子の兄キャラモンの保護のおかげで少年時代をなんとかくぐりぬけます。5歳の誕生日のちょっと前、彼らは奇術とまやかしをおこなう幻術師のショーを見に連れていってもらいます。キャラモンはしばらく見ていて興味をなくし、どこかに行ってしまいますが、弟のレイストリンは終日それを見続け、夜帰ってから、家族の前でその奇術を正確に再現してみんなをあっと言わせます。 6歳の誕生日のちょっと後、家族はレイストリンを高名な魔術師のところへと連れていきます。最初はあまりよい印象をもっていなかった魔術師も、レイストリンが彼の書斎で、何年もの研究がなければ読むことが不可能な魔術書をこともなげに読むのをみて、弟子にすることを認めます。しかし、弟子としての研究生活は退屈な上、おもしろくもないので、そのうち彼は仲間の弟子や教官を馬鹿にしはじめます。この時期にキャラモンの弟への保護感情は強まり、それが弱者には常に深い同情を寄せるものの、人類全体には概して嫌悪感しかみせないレイストリンの考え方に影響を与えています。 この時期、レイストリンは大道で幻術や奇術を行うことで一家の収入を支えていました。これはしばしば魔術学校の規則に違反したとして衝突が起こりました。そうしたいざこざのひとつが、双子をタッスルホッフやフリントに引きあわせることになります。 レイストリンは<大審問>を受け、くぐりぬけたもっとも若い魔術師です。しかし、これで彼の将来の力を確約され、杖を得たものの、(砂時計形の瞳をはじめ)外見にいちじるしい損傷をきたしました。 仲間たちは知りませんでしたが、レイストリンはザク・ツァロスの廃墟への冒険で個人的に利益を得ています。古の魔術師の呪文書を手に入れ、さらに強力な魔法の使い手となったのです。 <AD&D 能力値>
<装備> マギウスの杖 (防御+3、命中+2 ― ダメージ1~8) 接近戦ではこの杖を使う |
キャラモン レイストリンの双子の兄のキャラモンは弟と完全に反対の性格をしています。小さい頃からキャラモンは虚弱な弟のレイストリンの保護者として、いじめっ子どもから常に弟を救ってきました。戦士としての訓練は若い頃からつんでおり、これは後に<暗黒の女王>タキシスに仕えてドラゴン卿となる姉のキティアラに教わったものです。弟が魔術学校に通うときを除いて、キャラモンは常にレイストリンといっしょにソレースに住んでいました。ここでスタームや、後には、タッスルホッフ、フリントらとも出会います。こうした出会いから生まれた友情が「ランスの仲間たち」を構成することにつながっていきます。 2人が仲間たちと<憩のわが家亭>で再開したその夜こそ、ゴールドムーンとリヴァーウィンドにも出会う運命の夜になりました。リヴァーウィンドやゴールドムーンとザク・ツァロスへの冒険を果たした後、キャラモンはソレースへと帰りたがります。伝説の生き物が突然よみがえり、おそるべきドラコニアンの残虐さを見て、世界に悪意が満ちていると知ったいまでは、ソレースの安全が気にかかったからです。そこで、彼はすぐにまた新たな冒険が仲間たちを待っていたことを知ることになります。 <AD&D 能力値>
<装備> リングメイル・アーマー ロングソード (ダメージ1~8) |
タニス エルフである母親の死により孤児となったタンサラス(短い人間風の名前タニスのほうがよく知られています)は、エルフたちの中で育てられました。しかし、タニスは人間との混血(ハーフ・エルフ)で、いつも疎外感を持っていました。じっとしておれない性格から、ついにタニスはクォリネスティを去り、彼にとって唯一疎外者の共感をともにする友人フリントのいるソレースへと向かったのです。やがて、彼は<ランスの仲間たち>と知り合い、<まことの癒し>を知る僧侶を求めて、クリンをさすらう戦士としての試練をつんでいきます。 初期のクォリネスティ・エルフでの訓練に加え、未開の地を旅してきたことによって、タニスは剣の達人となっています。エルフの剣を持てば、彼に匹敵する剣士は数少ないでしょう。弓の訓練によっても強化された腕前のタニスには、近づくことすら大胆な意志が必要ですが、躊躇しているとたちまち、彼の剣の届く範囲に入ってあえない最後をとげてしまいます。 すでに凄腕を持つタニスですが、廃墟の都市での経験で、戦士としての技にはさらに磨きがかかっています。その能力が、未来に何が待ち構えていようとも仲間たちを安心させるのです。 <AD&D 能力値>
<装備> レザー・アーマー+2 ロングソード+2 (ダメージ1~8/1~12 ― 対巨人) 弓および矢20本 (ダメージ1~6) |
スターム・ブライトブレイド 真のソラムニア騎士の息子であるスタームは、もはや一家の安全が保証できないとして、父により母といっしょに南の地へ送りだされました。父は事態が鎮静化したなら、彼らを呼び戻すつもりだったのですが、そうはなりませんでした。この頃には騎士団はクリンの一般民衆から、つとめを果たせず、<大変動>を止められなかったという不当な糾弾を受け、見下げられていたのです。 こうしたこともあり、父親の立場とつとめを強く意識したスタームは、騎士としての一生を捧げようと決意しました。訓練はつんだものの、実戦経験は彼にはありません。彼は現在にあっては難しいものの、父親と騎士に高い理想を求めています。 武術への興味からキャラモンと知り合いになったスタームは、固い友情を育みます。キャラモンのために、あまり気にくわないレイストリンとも友になります。スタームはタッスルホッフや、フリント、タニスとも知り合いになり、その後、一行はともに旅をして、いくたの冒険をこなしますが、やがてフリントの引退により、仲間はそれぞれの別の道に進むことになります。彼らはとにかく5年がたてば、<憩のわが家亭>で落ち合おうと約束しました。 遺品を得たことで、いまやスタームはソラムニアの騎士として恥ずかしくない立場を持ちますが、彼がゴールドムーンとリヴァーウィンドを助けて連れてきたことで、5年後の再会は竜槍戦争の始まりを告げたのでした。廃墟から戻ったスタームは、ドラコニアン軍の勢力に、これだけの仲間でどれだけのことができるのかと悲観主義に囚われますが、とにかく邪悪には立ち向かおうと決意しています。 <AD&D 能力値>
<装備> チェインメイル・アーマー ツーハンデッド・ソード+3 (ダメージ1~10) 射撃戦はできない |
タッスルホッフ・バーフット 大半の人々はケンダー族を理解していませんし、理解したいとも思っていません。こうした理由はケンダー族の基本的な性質にあります。恐れを知らず、信じられないほど好奇心が強く、いらいらするほど動き回り、独立心が旺盛で、留められていないものがあれば、なんでも手に入れてしまうのです(彼らがねじ回しを持っていなかった場合のことですが。) しかし、彼らは自分たちを泥棒とは思ってはいません。彼らは利益のために盗むのではなく、おさえられない好奇心からそうするのです。“行為の最中”に捕まったとしても、彼らは驚いた顔をして抗議しまくるでしょう。“落ちていたんだよ”“ぼくのポケットの中にすべりこんだんだ”“いらないのかと思った”“盗まれないように、ちゃんと見ておいてあげようとしただけだよ”。彼らにとっては“ちょっと借りただけ”で、泥棒呼ばわりはひどい侮辱なのです。 大きさはともかく、ケンダー族は服に結びつけた多くの小袋や物入れと、彼らのお気に入りの武器フーパックで、すぐにそれと見分けがつきます。フーパックは彼らにだけ使え、杖(下部を鉄で補強)とスリングの両方に使える強力さを秘めた武器なのです。 タッスルホッフはフリントと、ケンダー族にはおなじみの出会いをしました ― フリントの店から歩み去るとき、腕輪を盗んだと非難され、“びっくりした”というのがなれそめです。タニスが駆けつけてその場をおさめ、まもなく彼らは仲のよい友になりました。タッスルホッフはまた、その後キャラモン、レイストリン、スタームとの出会いの中心的な役割を果たしました。 ザク・ツァロスでの危険もタッスルにはそう感銘を与えた様子はなく、彼はもう次に何が起こるか楽しみにしています。 <AD&D 能力値>
<装備> レザー・アーマー フーパック+2 (ダメージ3~8) スリング+1と弾20発 (ダメージ2~7) |
フリント・ファイアフォージ 丘ドワーフの生まれで、貧困の中で育ったフリントは、生計をたてられるようになると、すぐに家を出ました。年がたつにつれてその金属加工の腕前が知られるようになり、いくばくかの富を蓄えた彼は、ソレースに家を買い、そこを活動の拠点にしました。 フリントの腕の評判が高まるにつれ、遠くまで旅をする機会も増えます。やがて、その作品の見本がクォリネスティ・エルフの指導者の注意までひいて、彼はエルフの王国を訪れたばかりか、招待客になるといったドワーフにしてはきわめてまれな名誉に浴します。ここで、フリントとタニスははじめて出会い、以後何年にもわたる強い友情のきずなが生まれます。タニスがついにクォリネスティを去ったとき、行き先は自然と旧友フリントのいるソレースとなったのです。タニスはたちまちフリントの仕事でも有能であるとわかり、商売仲間となったのでした。 後に、タニスは双子や、タッスルホッフ、スタームたちと出会い、こうして6人の強力な冒険者仲間ができあがります。やがて、フリントは隠退し、仲間たちは5年後に<憩のわが家亭>で再会することを約束して、それぞれの道を進んでいきました。 5年後、彼らは再会して、ゴールドムーンとリヴァーウィンドを救って<ランスの仲間たち>となり、運命の夜が開きます。ザク・ツァロスでの経験の後、フリントはどぶドワーフへの確固たる偏見と同じくらいはっきりと、ドラコニアンがおそるべき敵だという確信を得ています。 <AD&D 能力値>
<装備> スタデッド・レザーアーマー&シールド バトルアックス+2 (ダメージ1~8) |
<Ⅳ.ノン・プレイヤー・キャラクターについて>
旅のあいだ、あなたはさまざまな人々と出会うことでしょう。これらのノン・プレイヤー・キャラクターは、旅の目的を果たすのに必要なので、これらの人々の話には注意深く話を聞くとよいでしょう。
●村人:
さまざまな村人に会うはずですが、彼らはドラコニアンからの避難民か、その協力者です。
●ギルサナス:
ギルサナスは経験をつんだエルフの戦士/魔法使いで、その知識が一行に大いに役に立つことがあるでしょう。彼はクォリネスティの長の次男で、古の秘密の場所をいろいろと知っています。
●テロス・アイアン・フェルド:
テロスは、クォリネスティのどこかに、ドラコニアンから逃れるためにひっそりとくらしています。もし、テロスのところに寄ることがあれば、きっと協力してくれることでしょう。
●マータ・フルール:
パックス・タルカスには2匹のドラゴンがいて、そのうちの1匹がこのマータ・フルールです。しかし、このドラゴンはちょっと頭がおかしくて、要塞につかまった子供たちを自分の子と考えて世話をしています。
<Ⅴ.モンスター>
ここではモンスターとは、あなたを殺そうとするもののことです。これらに対処する最良の方法はあまり関わらないことですが、いちばん起こりやすいのは、やはり敵意ある対立 ― 戦闘でしょう。理由は、あなたが“敵”であることと、彼らの食料に見えるからです。
なにかと出会ったら、接近戦闘を待つよりも、射撃戦闘で身を守ったほうが安全なことを覚えておいてください。接近戦闘よりも、射撃戦闘のほうが逃げやすいのは当然です。
ジャイアント・ワスプ この知性のないモンスターは巨大な上、“動くものは餌か、卵を生みつける相手”といった本能を持っているのでやっかいです。なかなかタフなので倒すまでにけっこうダメージを被るかもしれません。かみつきと毒針で攻撃し、また空中から攻めるのを好みます。 | ボザク・ドラコニアン このドラコニアンは少し大きく、彼らはタキシスが生みだした魔法使いでもあり、高い知性をもっているので、いったん戦闘になるとかなりの強敵でしょう。マジック・ミサイルのような魔法の攻撃をかけてきます。死ぬと、肉体はひからびて骨のようにもろく崩れ去りますが、そのさい爆発して近くにいる者にダメージを与えます。 |
ゴブリン 1メートル20センチほどの身長の人間型の生物で、拷問や相手を奴隷にしたがるという本質的に邪悪な性質を持っています。武器にしろ鎧にしろ、死体をあさって見つけたようなものはなんでも使いたがります。棍棒で攻撃してきます。 |
カパック・ドラコニアン このドラコニアンは人間の肉が料理に出されるとよろこぶ性質なので、出会うと接近戦闘を挑んできます。一部はアーマーを着て、ソードを常に持っています。死ぬと、肉体はひからびて骨のようにもろく崩れ去りますが、そのさい爆発して近くにいる者にダメージを与えます。 |
ダイアー・ウルフ 大型の狼で群れをなしていますが、襲ってくるのは1匹だけです。腹がすいていると狂暴ですが、たいてい腹をすかしています。動きはすばしこく、どうもうなかみつき攻撃をします。 |
トロール この大型ですりよってくる人間型の生物は、さして知性は高くなく、他の生物と同様に、人間を好物にしています。敵としては非常に手ごわく、傷つけにくい上、傷が自然に治癒していく性質をしています。強力な顎と爪による攻撃をおこない、成功するとかなりのダメージを与えます。 |
スタージ この小型でいやらしい吸血生物は飛行し、新鮮で暖かい生き血が何よりも好物です。となると、スタージにとって、人間の意味するところは明らかでしょう。彼らは殺されるか満腹するまで襲いつづけます。 |
グリフォン 上半身が鷲、下半身がライオンというこのモンスターは馬肉が大好物でいくらでも食べますが、もちろん人間の肉でも代りに喜んで食します。空を飛べますが、攻撃するときは地上からどうもうに襲います。一部知性のある肉食生物として扱います。 |
ゾンビー この魔力で動く死体は、しばしば疲れを知らぬ守護者として使われ、侵入した者に破壊されるまで戦います。一部の魔法は効きません。 |
レイス (死霊) われわれの世界に留まるように決められた(あるいは、罰せられた)邪悪な存在の霊です。このアンデッド(亡者)は一行が出会う敵の中でも、いちばん強力な部類に入るでしょう。武器も必要とせず、触れるだけで傷を与えます。 |
トード パックス・タルカスにいてヴェルミナルドに仕えるモンスターです。彼は人間型のモンスターで体が小さく、知性は人間以上かもしれません。すばやい射撃攻撃をしてきます。しかし、体力がないので、一気に倒してしまったほうが良いでしょう。 |
エンバー パックス・タルカスにいる危険なドラゴンです。エンバーは敵がそばにいれば、しばしば炎のブレスを使い、容赦なく呪文や、爪の攻撃をしかけてきます。これら古の赤竜はおそるべき敵であり、一行に殺されるよりは、一行が殺される率の方がはるかに高いでしょう。 |
ヴェルミナルド 生命力はさることながら戦術の面でもたけている上、攻撃力は強烈です。このヴェルミナルドにかなうモンスターはいないでしょう。この存在こそ、この旅の最終目的であり使命を果たす最後の障害なのです。 |
<Ⅵ.アイテム類>
ゲームではさまざまなアイテムが登場し、一行には大いに役立ってくれます。これらには、戦闘でのキャラクターの能力を上げるものなどがあります。アイテムを得るには、キャラクターをそのアイテムの上に持ってゆき、十字キーの下を押すことで、アイテムを拾えます。
ポーション (飲み薬) ポーションとはヒーリング・ポーションのことで、これは傷を癒してくれます。受けたダメージを回復するもので、もともとのヒット・ポイントを超えてまで回復はしません。だれにでも飲めますが、それを使いたいキャラクターは“渡す”でもらい受けなければなりません。そして、“使う”を選んで、サブメニュー画面でポーションを指定してください。 | スクロール (巻物) これには前もって準備された魔術師魔法か僧侶魔法が載っています。これを“使う”と、その魔法はスクロールから直接かけられたことになり、キャラクターの記憶にあるものは使われません。尚、そのスクロールは誰にでも使えますがスクロールを持っている人が使うことになります。 |
リング (指輪) これには、リング・オブ・プロテクション<防御の指輪>があり、これは“使う”を選びサブ・メニュー画面でリングを選ぶことで使えます。これは、使うことによって敵からの攻撃をいくぶん減らしてくれる物です。尚、一度装備してしまうと外せなくなるので、装備するときは誰に使うかをよく考えてから付けてください。 |
武器 一行はいろいろなタイプの武器を見つけるでしょうが、その中には、古の魔剣ワームスレイヤーも含まれています。ワームスレイヤーとは<大変動>の前に君臨していた偉大なるエルフの王キス=カナン。そのキス=カナンの剣こそが、魔剣ワームスレイヤーです。現在はスラ=モリの洞窟に眠っているらしい。これはゲームの使命を達成するためには必須のアイテムです。 |
その他 他のさまざまなアイテムも見つかるでしょう。飛び道具の矢や弾、ジェム(宝石)がありますが、これらは無防備に置いてあるわけではありません。モンスターが監視していたり、罠もあります ― いくつかのアイテムや場所には罠が仕掛けてあって、それが発動することもあります。罠の雰囲気 ― あまりにも明白であったり、魅力的な財宝 ― を感じとってください。一部のキャラクター(や魔法)によって発見されるものもあります。アイテムはキャラクターが持ちすぎになった場合など、いくつか捨てなくてはならないかもしれません。 |
<Ⅶ.プレイのヒント>
戦闘でのアドバイス
一部のキャラクターは戦闘向きですので、彼らを前に立たせるべきでしょう。ただし、そうしたキャラクターが大きなダメージを受けた場合には、後ろへ下げることを忘れないように。
射撃戦闘をできるだけ使うべきです。あるモンスターは高い位置に弱いですが、別のモンスターは低い位置に弱くなっています。飛行するモンスターの低い位置を飛び道具で狙っても、モンスターを利するだけです。魔法使いは先頭に立たなくても、最初の4人のキャラクターに入っていれば、魔法をかけられることを忘れないでください。