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蒼き狼と白き牝鹿
ジンギスカン

ジンギスカン帝王学

 ファミリー・コンピュータ用ゲームカセット「蒼き狼と白き牝鹿・ジンギスカン」を楽しく遊んでいただくために、このマニュアルをよく読んで。正しい使用法で末長くご愛用ください。


<はじめに>

 上天より命ありて生まれたる蒼き狼ありき。その妻なる惨白き牝鹿ありき。大いなる湖を渡りて来ぬ。――モンゴル民族のあいだに語りつがれるこの古い伝説は、モンゴル高原を統一し、ユーラシア大陸に大帝国を築き上げたジンギスカンの伝説にそのまま重なりあうものです。
 このジンギスカンの勇敢な物語は、私たちをはるかなるモンゴルの大地へと誘います。英雄たちの夢は、日常の生活をいっとき忘れさせ、私たちを伝説の世界へ入りこませます。その夢をより身近なものにするために、このゲームは創られました。
 この「蒼き狼と白き牝鹿・ジンギスカン」は国を攻めとるだけのゲームではありません。国づくりをはじめ、将軍の養成と人事、他国との交渉、後継者づくりなど、このゲームには「人間」に重点を置いたコマンドが数多く設定され、多彩なゲーム展開をお楽しみいただけると確信しております。
 あなたも英雄の一人となり、ユーラシア大陸統一を目指して戦略を尽くしてください。英雄伝説はあなたのものとなるでしょう。

KOEI ゼネラル・プロデューサー:シブサワ・コウ


<ジンギスカン帝王学/もくじ>

帝王学序章
 ゲームを始める前に
 ゲーム・スタート
 ゲームの中断・終了
英雄創生
 初期設定
覇権を握る!
 MAIN画面
 国力総覧
帝王統治学
 内政・外政コマンド一覧
 内政・外政コマンド解説
青天の霹靂
 イベント
進軍開始!
 HEX画面
 HEX戦の規則
帝王学戦術編
 戦闘コマンド一覧
 戦闘コマンド解説
中世列国秘史
 列国興亡年譜


<帝王学序章(1)/ゲームを始める前に>

 プレイヤーは、モンゴル編ではテムジン、世界編では、当時勢力を誇っていた4人の国王のいずれか1人となって、それぞれの目的をはたします。

1.シナリオ
 モンゴル編と世界編の2つのシナリオがあります。
(a)モンゴル編
スタート:1174年冬(命令を受け付けるのは1175年の春からです)
設定:プレイヤーは14の諸部族のひとつモンゴル族の族長テムジンを担当します。
勝利条件:モンゴル平原の統一
モンゴル編で14ヶ国統一をはたした場合は、エンディング画面表示後、世界編に進みます。
モンゴル編でモンゴル族族長のテムジンは、世界編ではモンゴル帝国の国王ジンギスカンと名前が変わります。
(b)世界編
スタート:1205年冬(命令を受け付けるのは1206年の春からです)
設定:プレイヤーは27ヶ国のうちモンゴル帝国(ジンギスカン)、イングランド(リチャード1世)、ビザンツ帝国(アレクシオス)、日本国(源頼朝)のうち、いずれか1国を担当します。
世界編では最高4人までマルチプレイができます。
勝利条件:世界(ユーラシア大陸)統一

2.遊び方
 内政、外政をおこなうMAIN画面と戦争をおこなうHEX画面があります。
(a)内政、外政(MAIN画面)
 通常、画面上には自分の担当している国のデータと各種の命令(コマンド)が表示されており、内政や外政をおこないます。1年に春・夏・秋・冬の4回、ターン(命令を出す順番)がまわってきます。1ターンにつき、本国では3回、直轄地では1回の命令を出すことができます(国のタイプについては下記「3.国のタイプ」参照)。
(b)戦争(HEX画面)
 他国へ攻めこんだり、他国から攻めこまれたときに戦争をおこないます。1ターンは1日にあたり、各部隊に命令を1回ずつ出せます。
プレイヤーの担当する族長(国王)自身が攻めこんだ場合、および本国と直轄地に攻めこまれた場合は、いつでもHEX画面に切りかわりますが、コマンド15:その他の戦場をオフにしていると、上記以外の戦争はすべてMAIN画面のままで決着がつきます。

3.国のタイプ
 他国に攻めこんで相手に勝つと、その国が自分の領地になります。領地が複数になると、それぞれの国の統治方法を決めなければなりません(下記「HEX戦の規則/6.戦後処理」参照)。
 統治するやり方によって、次の3種類の国タイプがあります。
(a)本国
族長または国王が実際にいる国です。
族長または国王が直接統治しています。
1季節に3回の命令を出すことができます。
(b)属国
族長または国王が配下の将軍に統治させています。
統治はコンピュータが担当します。
族長または国王は属国命令書を送るほか、その国の統治には口出しできません。
(c)直轄地
族長または国王が直接統治している国です。
族長または国王がこの国にはいないため、実行できない命令(オルドや外交など)があります(下記「内政・外政コマンド解説」参照)。
1季節に1回の命令しか出せません。

4.人物のタイプ
 族長(国王)、子ども、将軍、将軍候補は毎年春に1つ歳をとり、寿命がくると死亡します。
(a)族長(国王)
 本国と直轄地を統治し、命令を下します。また属国には命令書を出して、統治の方針を決定することができます。
 命令を出すごとにその実行に必要な能力値を消費しますが(下記「内政・外政コマンド解説」参照)、コマンド4:訓練によって能力値を高めることができます。また他国に攻めこんで勝った場合、能力値が上がります(下記「内政・外政コマンド解説/13.戦争」参照)。
 世界編において、寿命で死ぬか他国で戦死した場合、10歳以上の息子がいれば、あとを継がせることができます。《・・・・さまのあとつぎをえらんでください だれになさいますか?》という表示が出ますので、息子の中からひとり選んでください。ただし、あとを継いだ国王には后も子どももいません。
(b)后
 族長(国王)の妻で、本国のオルドにいます。族長(国王)がオルドへ通うと、春に子どもが生まれます(下記「内政・外政コマンド解説/7.オルド」参照)。
 国を攻めとると新しい后を自国のオルドへ迎え入れるチャンスができますが、その国に后がいないこともあります(下記「HEX戦の規則/6.戦後処理」参照)。
(c)子ども
 10歳以上の男の子は将軍候補にすることができ(下記「内政・外政コマンド解説/6.人事/(4)王子」参照)また世界編では後継ぎになれます(上記「(a)族長(国王)」参照)。8歳以上の女の子は、血縁がない将軍候補に嫁がせることができます。結婚して血縁となった将軍候補は、決して裏切りません(下記「内政・外政コマンド解説/6.人事/(5)婚姻」参照)。
 族長(国王)がオルドへ数回通うと新たに子どもが生まれます。
 子どもは5人まで持つことができます。
(d)将軍候補
 本国にいて将軍になる資格を持っています。また族長(国王)の代わりに他国へ攻めこむことができます(下記「内政・外政コマンド解説/13.戦争」参照)。
 血縁の印である婚姻フラグ*のついた将軍候補は決して裏切りません。族長(国王)と血縁がない将軍候補は本国または直轄地で反乱を起こすことがあります(下記「イベント/(b)反乱」参照)。
 将軍候補は5人まで持つことができます。
(e)将軍
 属国を統治します。
 将軍は将軍候補がなりますが、戦争に敗れた国の統治者が、服属してそのままその国の将軍となることもできます(下記「HEX戦の規則/6.戦後処理」参照)。
 婚姻フラグ*のついていない将軍は反乱を起こし、独立することがあります(下記「イベント/(b)反乱」参照)。

5.一族(国民)について
(a)住民
 仕事を持ち、国造りに貢献し、戦争のときは兵士として戦う成年男子です。職種には兵士、町造り、城造り、食料作り、特産品作りの5種類があります。
 春には、住民から税を徴収する一方で、兵士には金で給与を支払い、他の住民には食糧を支給します。また、春には成年に達する者がいますので、住民数がわずかに増えます。
 住民数を増やすにはコマンド6:人事の徴兵か、コマンド5:商人の傭兵を用いて兵士数を増やします。そしてコマンド2:割当の住民で兵士をそれぞれの仕事に割り当てます。
(b)非戦闘員
 仕事についていない老人や子どものことです。その実数はつかめません。コマンド4:訓練によって非戦闘員のうちで兵士として動員できる比率をあげ、コマンド6:人事の徴兵で雇います。
一族(国民) 住民 兵士
町造り
城造り
食料作り
特産品作り
非戦闘員  

6.能力とは
 族長(国王)、将軍、将軍候補はそれぞれ自分の能力値を持っています。この能力は、コマンドを実行するたびに減っていきます(下記「内政・外政コマンド解説」参照)。もし族長や国王に、コマンド実行のために必要な能力がない場合には、そのコマンドは実行できません。
 また能力はこれ以外にも、戦争の勝敗の判定や、外交交渉が成功するかどうかの判定などに使われています。各能力値は高ければ高いほど有利です。なお、能力の最高値はいずれも999です。
 族長(国王)と将軍候補の能力値はゲームを始める前に決定します(下記「初期設定」参照)。開始後はコマンド4:訓練で能力値を上げることができます。
 能力は次の6種類です。
(a)統率力
族長(国王)としての基本能力で、内政・外政のほとんどのコマンドに使われます。
(b)判断力
物事を判断する能力です。人事や戦争などに必要。
(c)企画力
国づくりや戦争など、企画を生み出すときに必要。
(d)説得力
人を説得する能力で、外交交渉をするときに必要。
(e)体力
オルドや戦争のとき、とくに必要。
(f)武力
族長(国王)個人が持つ戦闘力で、外交交渉や戦争のときにこの数値が高いと有利です。

7.コントローラーの使い方
十字ボタン
カーソルの移動、数の入力、HEX画面上の部隊の配置・移動・攻撃方法の入力
Aボタン
コマンド・数などの決定
Bボタン
コマンド・数のキャンセル、取り消し
MAIN画面のコマンド選択で、《Bボタン―キャンセル》の表示のときにBボタンを押すと、それまでの全ての選択が無効になり、最初からコマンドを選び直します。
《はい/いいえ》のどちらかをカーソルで選択するようなとき、Bボタンを押すと、《いいえ》と同じ働きをします。
STARTボタン
ゲームの開始

 このほかのコントローラー操作は、画面表示や、この「ジンギスカン帝王学」にしたがってください。
 1人プレイのときはコントローラーⅠを、世界編での複数プレイのときはプレイヤー1・3がコントローラーⅠ、プレイヤー2・4がコントローラーⅡを使います。MAIN画面では、画面左下に、使うコントローラー(番号)が表示されます。

数の入力
 数を入力するときは、十字ボタンの↑・↓で0~9の数字が増減し、Aボタンを押すと決定します。数が2ケタ以上になるときは、→でケタを移動させ、反対に←で1ケタ戻せます。
例:「33」を出したいとき
画面表示操作操作の結果
十字ボタン:↑
十字ボタン:→30
30十字ボタン:↑33
33Aボタン33(決定)
ファミリー・コンピュータ用ゲームカセット『蒼き狼と白き牝鹿・ジンギスカン』はジョイ・スティックに対応していません。


<帝王学序章(2)/ゲーム・スタート>

 本体の電源を入れる前に、ROMカセットをスロットに挿入し、電源スイッチを入れてください。
 オープニング画面の後、STARTボタンを押し、ゲームの初期設定にしたがってゲームを進めてください。


<帝王学序章(3)/ゲームの中断・終了>

1. プレイヤーの選んだ族長(国王)が死んだとき
 モンゴル編では、テムジンが寿命で死亡したときや、戦争で敵に滅ぼされたときは、ゲームオーバーです。
 世界編では、プレイヤーの選んだ国王が死亡した場合、後継者を立てることによってゲームを続けることができます(上記「ゲームを始める前に/4.人物のタイプ」参照)。ただし、本国が敵に攻めこまれて死亡したときや、10歳以上の男の子がいないときは、後継者を選ぶことができず、ゲームオーバーになります。
2. ゲームを中断するとき
 ゲームを途中でやめるときは、コマンド15:その他のセーブを選び、データをセーブしてから同じコマンドのエンドで終わらせてください(下記「内政・外政コマンド/15.その他/(8)エンド」参照)。
セーブした内容が壊れるおそれがありますので、必ずリセット・ボタンを押しながら電源を切ってください。また電源を入れたままでは、絶対にカセットを抜き差ししないでください。


<英雄創生/初期設定>

 新しくゲームを始めるときには、まずゲームの設定をおこないます。

1. シナリオを選ぶ
 《シナリオをせんたくしてください》
 シナリオは、モンゴル編と世界編の2編があります。前回セーブした所からゲームを続けるときはデータロードを選んでください。モンゴル編を選ぶと4.へ進みます。
2. プレイ人数を決める
 《なんめいであそびますか?》
 モンゴル編は1人プレイですが、世界編を選んだ場合、最高4人まで同時にプレイすることができます。
.担当する国王を選ぶ
 《プレイヤーnはだれをせんたくしますか?》(n=1~4)
 モンゴル編でプレイヤーが担当できるのはテムジン1人ですが、世界編では4人の王から選べます。
 あなたがなりたい国王を決めてください。
4. 人物の能力を決める
 プレイヤーの国に登場する人物(主人公と4人の将軍候補)の能力の基本値を設定します。
まず、《5にんの のうりょくをじどうてきにきめますか?》に答えてください。はいを選ぶと5人分の能力がまとめて表示されます。この値でよければ、《これでよろしいですか?》にはいと答えてください。決め直したいときはいいえを選べば何度でもやり直すことができます。
 最初の質問にいいえと答えた場合は、1人ずつ能力を決定していきます。ひとつの能力ごとにAボタンを押して数字を止めてください。《ぶりょく》まで数字が決定すると、《これでよろしいですか?》と聞いてきます。いいえを選べば、やり直すことができます。
 ここではいなら、《つぎに100ポイントをかくのうりょくにふりわけます》と表示されます。Aボタンを押すと1ポイント、Bボタンを押すと10ポイントが能力値に加わり、ボタンを押しつづけると連続して数が加わります。他の能力に進むときは十字ボタンを使います。
 100ポイントを加えおわると、《これでよろしいですか?》と表示されます。はいを選ぶと次の人物の能力決定に進みます。いいえを選ぶと、ひと能力ごとにAボタンで数値を決めるところからやり直しです。
 これらの動作を5人分繰り返し、すべて終ると、《のうりょくちは すべてよろしいですか?》と表示されます。ここでいいえを選ぶと、1人目の主人公の能力をAボタンで決めるところまで戻ります。
5. コンピュータの強さを決める
 《ゲームレベルは いくつにしますか?》
  1  2  3  4  5
(よわい)       (つよい)
 ゲームの難しさを決めます。1~5までで、数が大きいほど難しくなります。
6. 設定の確認をする
 《すべてよろしいですか?》
 決めたことがらが、これでよいかを確認します。
 いいえを選ぶと1.に戻り、最初からやり直します。はいを選ぶと、ゲーム・スタートです。


<覇権を握る!(1)/MAIN画面>

 十字ボタンの右か左を押すことによってマップ(地図)画面に切りかわり、国のデータの代わりにそのシナリオの地図が現われます。マップ画面でも命令を出すことができます。

a)MAIN画面

(1) 統治国名(マップ画面上で国番号が点滅しています)。
(2) 現在の西暦と季節。
(3) 統治者の名前と顔。人名の下に《ほんきょち》と出ていれば、その国は本国で、表示されている統治者が族長(国王)です。《ちょっかつち》であれば、統治者はその国にはいません。
人名だけのときはその国は属国で、統治者は将軍として派遣され、その国を治めていることを意味します(上記「ゲームを始める前に/3.国のタイプ/(b)属国」参照)。ここに*マーク(婚姻フラグ)があれば、その将軍は族長(国王)と血縁関係にあり、決して裏切りません。
(4) 国の状態
(5) コマンド一覧
(6) この季節の残り命令数。
(7) 季節ごとに変動する基本相場。基本相場は商人との取り引きレートに影響し、高いときは物価が高く、低いときは物価が安いことを意味します。
(8) 使用するコントローラー。

b)マップ画面


<覇権を握る!(2)/国力総覧>

No.画面表示意味
その国が保有する金の量
食糧その国が保有する食糧
兵士数兵役についている住民の数
特産品その国で生産可能な特産品
町造り町造りをおこなう住民の数
城造り城造りをおこなう住民の数
食料作り食料作りをおこなう住民の数
特産品作り特産品作りをおこなう住民の数
モラルその国の治安度
10経済力その国の経済の豊かさ
11城の強さ城の防御度
12武装度住民全体の武装度
13訓練度住民全体の訓練度

1. きん(金)
 現在所有している金の量を表わします。
 毎年春の徴税で増えると同時に、兵士への給与として支払われ、減少します。国の税率や経済力によって徴税額は左右されます。
 金が足りない場合は兵士数が減ります。
2. しょくりょう(食糧)
 現在所有している食物の量を表わします。
 食糧は、秋に収穫され、春に住民数の半分の量が住民に支給されます。収穫量は、食料作りに割り当てられた人数の1年間の合計ですが、戦争で敵に略奪されていると減ってしまいます。また、モラルが低下していたり、住民数と比較して膨大な量の食糧を所有していると、食糧盗難が起こるおそれがあります。
3. へいしすう(兵士数)
 兵役についている住民の数を表わします。
 コマンド5:商人の傭兵、またはコマンド6:人事の徴兵で兵士数を増やせます。
4. とくさんひん(特産品)
 その国で作ることのできる特産品の品目をイラストで表わしています。(特産品・武器の一覧
5. まちづくり(町造り)
 町造りをおこなう住民の人数を表わします。
 この数は、季節ごとの経済力の上昇に影響しています。
6. しろづくり(城造り)
 城造りをおこなう住民の人数を表わします。
 この数は、季節ごとの城の強さの数値の上昇に影響しています。
7. しょくりょうづくり(食料作り)
 食料作りをおこなう住民の人数を表わします。秋にはこの食料作りに割り当てられた人数の1年間の合計量が収穫されます。
8. とくさんひんづくり(特産品作り)
 特産品作りをおこなう住民の人数を表わします。秋には、この仕事に割り当てられた人数の1年間の合計量が収穫されます。
 ※以上3.兵士数ならびに5.町造り~8.特産品作りは、コマンド2:割当の住民によって住民配分をおこなうことで増減します。
9. モラル
 住民の道徳的観念を表わした、その国の治安度です。
 この数値が低いと内乱が発生しやすくなり、春の徴税時に、税を納めない者が出ることがあります。
 数値は、毎年春自動的に低下します。また徴兵したり、住民配分で兵士の割合を極端に上げたり、臨時徴収をしたり、税率を上げたりすると、下がります。数値を上げるには、コマンド3:分配によって住民に施しをしてください。コマンド1:税金の税率変更で税率を下げたときも上がります。
10. けいざいりょく(経済力)
 文字通り、国の経済の豊かさを表わします。
 春の徴税金額に直接かかわる数値ですので、高ければ高いほど徴収額も増えます。町造りの人数が、季節ごとの数値の上昇に影響しています。あまり人数が少ないと数値が低下します。また臨時徴収をすると数値は下がります。
11. しろのつよさ(城の強さ)
 その国にある城の防御効果の高さを示します。
 数値が高いと城の守りが強力です。城造りの人数が、季節ごとの数値の上昇に影響していて、あまり人数が少ないと逆に数値は低下します。HEX戦で城を攻撃されるたびに数値は下がります。
12. ぶそうど(武装度)
 その国の住民がどれだけ武装しているかを示します。
 数値が高ければ戦争で有利になります。武装度を上げるには、商人との取引で武器を買ってください。高価な武器ほど武装度が上昇します。購入できる武器は、短剣、長剣、戦斧、槍、矛、火薬の6種類です。徴兵や傭兵をしたときはその人数に応じて数値が増減します。毎冬に数値は低下します。
13. くんれんど(訓練度)
 その国の住民がどれだけ鍛えられているかを示します。
 コマンド4:訓練の兵士で数値は上がります。数値が高いと戦闘時に有利です。徴兵や傭兵をしたときは人数に応じて数値が増減します。また、数値は毎夏に低下します。


<帝王統治学(1)/内政・外政コマンド一覧>

 プレイヤーの担当する族長(国王)は、命令を1回実行するごとに、以下に述べるコマンド実行に必要な能力値を消費します。必要な能力値が不足していると、その命令は実行できません。

1.税金税率変更:税率の設定
臨時徴収:臨時に税を徴収
2.割当住民:仕事への住民配分
兵士:部隊への兵士配分
3.分配金:住民への施し
食糧:  〃
特産品: 〃
4.訓練兵士:訓練度を上げる
将軍候補:能力値の上昇
自分:族長(国王)の能力値上昇
非戦闘員:動員可能比率の上昇
5.商人売り:食糧・特産品を売る
買い:食糧・特産品・武器を買う
傭兵:兵士を雇う
6.人事異動:将軍の交替・派遣など
抜擢:将軍候補の登用
降格:将軍候補の降格
王子:王子を将軍候補にする
婚姻:娘を将軍候補に嫁がせる
徴兵:非戦闘員を兵士にする
7.オルド后との間に子供をつくる
8.情報各国:各国の状況をみる
人物:各国の統治者をみる
同盟:同盟国一覧とその期限
将軍候補:将軍候補の能力値
子供:子供の年齢・性別
在庫:特産品のリスト
9.移動自分:族長(国王)の移動
住民:住民(兵士も含む)の移動
金:金の移動
食糧:食糧の移動
特産品:特産品の移動
10.属国属国に命令書を出す
11.外交属国になれ:弱い国を服従させる
貢ぎ物をよこせ:資産要求
同盟を結ぶ:不戦の同盟
12.スパイ他国をさぐる:情報収集
破壊活動:城の破壊と経済力の低下
暗殺:他国の統治者の能力を下げる
国内捜査:敵スパイを捕らえる
13.戦争他国に攻めこむ
14.何もしない命令を出さない
15.その他セーブ:ゲームの状態の記録
ウェイト:表示時間の調整
音楽:BGMのオン・オフ
効果音:効果音のオン・オフ
静止画:静止画のオン・オフ
アニメ:アニメーションのオン・オフ
戦場:他国のHEX戦を見る
エンド:ゲームの終了


<帝王統治学(2)/内政・外政コマンド解説>

 全コマンドのうち、人事・情報・属国・外交・スパイ・戦争で、相手国を指定しなければならないときは、選択可能な国の番号がマップ画面で表わされます。この中より十字ボタンで選び、Aボタンで決定してください。それ以外の国は選択できません。
 なお、※印のついたコマンドは直轄地では実行できません。

1.ぜいきん(税金)
(1)ぜいりつへんこう(税率変更)/実行必要能力・統率力5 説得力5
 毎年春におこなわれる徴税の税率を変更します。
 1%から100%まで設定が可能ですが、0にすることはできません。税率は、プレイヤーが希望した数値にすんなり決まるとは限らず、また数値を大幅に上げても、徴税額がいきなり増えるということはありません。税率の変更にともなって住民のモラルが変化します。
(2)りんじちょうしゅう(臨時徴収)/実行必要能力・統率力10 説得力10
 国の財源が苦しいとき、秋を基点として、1年に1回かぎり、臨時に税を徴収することができます。
 徴収可能額は( )内に表示されますので、数字を入力して下さい。臨時徴収をすると、モラル・住民数・経済力が減少します。

2.わりあて(割当)/実行必要能力・(1)(2)ともに統率力5 企画力5
(1)じゅうみん(住民)
 住民を各仕事に割り当てます。
 職種には、兵士・町造り・城造り・食料作り・特産品作りの5種類があります。住民配分表が表示されますので、変更したい仕事を選択し、希望する数値を入力してください。兵士数は他の仕事の残り人数という形で表わされます。あまりにも兵士にかたよった配分をすると、モラルが低下します。振り分けが終わったらBボタンを押してください。
(2)へいし(兵士)
 各部隊の割合(%)を変更します。部隊は本隊から第9部隊まで全部で10部隊あり、本隊の部隊番号は0で表わされます。兵士配分表が表示されますので、変更したい部隊番号を選び、希望する割合(%)を入力してください。このあと部隊の属性《きば/ほへい/ゆみや》を決定します。振り分けが終わったらBボタンを押してください。

3.ぶんぱい(分配)/実行必要能力・企画力5
 金・食糧・特産品(特産品の場合は、その国で生産しているもののみ)のうちから1つを選んで、住民に分け与えることにより、住民のモラルを向上させます。
 向上する度合は住民数と分配量から決定されます。例えば10人に金10を分配すると、100人に金10を分配したときにくらべて10倍分の向上を見こめます。分配したい数値を入力してください。

4.くんれん(訓練)
(1)へいし(兵士)/実行必要能力・統率力5
 兵士の訓練度を上げます。
 兵士の人数は、コマンド2:割当の住民によって変えることができますので、兵士としての訓練度を高めるには、住民全体を訓練する必要があります。したがってこの数値の上昇する度合は住民数によって左右されます。
(2)しょうぐんこうほ(将軍候補)※/実行必要能力・説得力5
 将軍候補各能力を向上させます。
 将軍候補のうち、誰のどの能力を訓練するか、選択してください。その数値が上がります。コマンド1回につき1人の1能力しか訓練できません。
(3)自分※/実行必要能力・なし
 族長(国王)である自分の能力値を向上させます。
 どの能力を訓練するかを選択すると、その数値が上がります。コマンド1回につき、1能力しか訓練できません。
(4)非戦闘員/実行必要能力・説得力5
 動員可能比率を上昇させます。
 このゲームでは、仕事についているのは丈夫な男性ばかりですが、実際には彼ら以外にも老人や子供といった戦闘に向かない人々も存在します(非戦闘員)。非戦闘員のうち徴兵できる人数の割合を示したものが動員可能比率で、彼らを訓練すれば、この比率が上がります。比率は最大で50%です。

5.しょうにん(商人)/実行必要能力・(1)(2)(3)とも判断力5
 商人には中国商人・イスラム商人・ウイグル商人がおり、それぞれ独自の取引レートを持っています。国に商人がいるときには、食糧・特産品の売買と武器の購入、兵士の雇用ができますが、商人はいつもいるわけではありません。取引はそのときの相場にしたがっておこなわれ、(1)売(2)買では相場の一覧表が表示されます。商品は全部で17品目です。

<特産品・武器の一覧>
毛皮
宝石
貴金属
医薬品
木工品
陶磁器
ガラス
織物
香料
食料
短剣
長剣
戦斧
火薬

(1)うり(売り)
 所有している食糧・特産品を売ります。
(2)かい(買い)
 食糧・特産品・武器を買い入れます。
 一度買った武器を売ることはできません。また兵士の人数はコマンド2:割当の住民によって変えることができますので、武器を買うことで上昇する武装度は、兵士数ではなく全体の住民数に影響されます。
(3)ようへい(傭兵)
 兵士を雇います。兵士を雇うと兵士総数は増えますが、雇用した人数に応じてモラル・武装度・訓練度が変化します。

6.じんじ(人事)
将軍および将軍候補に関する人事をおもにおこないます。
(1)いどう(異動)※/実行必要能力・統率力5 判断力10 企画力5
 属国や直轄地の将軍の変更をおこないます。
しょうぐんのこうたい(将軍の交替)
 属国統治者の交替、属国と直轄地の交替などをおこないます。
 交替したい将軍の統治国番号をマップ画面で選んだ後、新統治者を《しょうぐんこうほ/たこくのしょうぐん》のどちらからもってくるかを選択します。《しょうぐんこうほ》の場合は希望する人物を、《たこくのしょうぐん》の場合はその将軍が現在統治している国番号を選んでください。
しょうぐんのはけん(将軍の派遣)
 族長(国王)の代理として将軍を派遣します。
 派遣先は統治者のいない直轄地だけということになります。希望する国の番号を入力後、派遣する人物を将軍候補の中から選んでください。派遣先の直轄地は、この命令によって属国になります。
ぞっこくをちょっかつに(属国を直轄に)
 配下が治めている属国を直轄地にし、直接、族長(国王)が命令できるようにします。
 直轄地にしたい国番号を選んでください。
(2)ばってき(抜擢)/実行必要能力・統率力5 判断力10 企画力5
 兵士の中から人材を捜索し、将軍候補として抜擢します。
 将軍候補は5人までで、それ以上持つことはできません。
(3)こうかく(降格)※/実行必要能力・統率力5 判断力10 企画力5
 将軍候補であった人物を、ただの兵士に格下げします。
 一度降格した者を再び将軍候補にすることはできません。
(4)おうじ(王子)※/実行必要能力・統率力5 判断力10 企画力5
 族長(国王)の子どもを将軍候補の1人にします。
 将軍候補になれるのは10歳以上の男の子だけです。
(5)こんいん(婚姻)※/実行必要能力・判断力10 企画力10
 族長(国王)の娘を将軍候補に嫁がせ、婚姻関係を持ちます。
 娘をもらった将軍候補は婚姻フラグ*が表示され、族長(国王)の血縁になります。*がついている将軍や将軍候補は血縁ですので、はじめから*が表示されており、娘を嫁がせることはできません。嫁がせることができるのは8歳以上の女子だけです。
(6)ちょうへい(徴兵)/実行必要能力・統率力20 説得力10 武力10
 
非戦闘員を徴兵します。
 非戦闘員の数は統治者には確認できませんが、動員可能比率に応じて徴兵可能な兵士数が決定します。ただし彼らは非戦闘員ですので、武装度も訓練度もほとんど0に近い数値です。したがって武装度・訓練度・モラルがともに下がります。

7.オルド※
  ・従順なとき…実行必要能力・説得力5 体力10
  ・愛を語る…実行必要能力・企画力5 説得力5 体力10
  ・強引に口説く…実行必要能力・説得力5 体力10 武力5
  ・金で歓心を買う…実行必要能力・説得力5 体力10
 オルドとは帳殿のことで、ここで后と一夜をともにします。
 オルドの回数が重なると、后が子どもを生む可能性は高まります。戦争で国を手に入れるたびに新しい后を迎え入れるチャンスが生じます。

8.じょうほう(情報)
 (1)、(2)で他国の情報を見る以外は命令回数に入りません。
(1)かっこく(各国)/実行必要能力・他国の場合 判断力5
 各国の国状態を見ます。自分の属国と直轄地以外は事前にコマンド12:スパイの他国をさぐるを使って、スパイを送りこんでいないと見ることができません。1回分の命令で何国でも見ることができます。
 他国の状態を見るときは、1国につき金1を支払います。自分の国の情報を見るときには費用と能力値は必要ありません。
(2)じんぶつ(人物)/実行必要能力・他国の場合 判断力5
 各国の統治者の状態を見ます。詳細は(1)と同様です。
(3)どうめい(同盟)※/実行必要能力・なし
 コマンド11:外交で同盟を結んだ族長(国王)の統治する国番号(本国、直轄地および属国)と期限が、年単位で表示されます。
(4)しょうぐんこうほ(将軍候補)/実行必要能力・なし
 自国にいる将軍候補のリストと、一人一人の能力を見ることができます。
 将軍候補は5人までおくことができます。婚姻フラグ*は血縁者であることを示し、族長(国王)を裏切ることはありません。
(5)こども(子ども)/実行必要能力・なし
 自国の子どもの名前・性別・年齢を見ることができます。子どもは最高5人まで持てます。
(6)ざいこ(在庫)/実行必要能力・なし
 自国の特産品のリストが図示され、所有している量をそれぞれ見ることができます(特産品・武器の一覧)。

9.いどう(移動)※
 自分の統治国が2国以上ある場合にかぎり、隣接している国の間で自分と住民および金・食糧・特産品の移動ができます。
(1)じぶん(自分)/実行必要能力・体力20
 本国から族長(国王)を移動させます。
 移動先の国は自動的に本国となります。ただし、移動するとそのターンの残りの命令はすべてキャンセルされます。
(2)じゅうみん(住民)/実行必要能力・統率力10 説得力10
 5種類の住民(兵士も含む)のうち、いずれかひとつの住民を移動することができます。
 どこの国からどこの国へ移動するかを決めてから、職種と人数を入力してください。
(3)きん(金)/実行必要能力・統率力5 判断力5 企画力5
(4)しょくりょう(食糧)/実行必要能力・統率力5 判断力5 企画力5
(5)とくさんひん(特産品)/実行必要能力・統率力5 判断力5 企画力5
 どこの国からどこの国へ移動するかを決めてください。また特産品の場合はどの品目を移動するか選んでください。

10.ぞっこく(属国)※/実行必要能力・統率力5 判断力5 説得力5
 属国にいる将軍に対して、統治に関する属国命令書を作ります。
 命令書を作らず、すべて将軍に任せたときには、将軍が勝手にその国を統治します。内政・外政内容などについて細かく指示を出していきますので、メッセージにしたがって選択肢から選んで命令を作成してください。属国命令書の中にある《ゆそう》とは、夏に金、冬に食糧を指定された国に送ることです。ただし、輸送される物資はその国の余分な量だけです。
 命令の作成が終了すると、《くに/しょうぐん/じゅうみん/へいし/ないせい/がいせい》の表示がされ、決定した事項が確認できます。外政命令は隣接国の状況によって変化することがあります。
 この命令書は、将軍に対して、その統治国の統治方針を命じたものなので、統治している将軍が代わると無効になります。

11.がいこう(外交)※
 隣接国と外交交渉をおこないます。
 交渉の成否は自国と相手国の国状態や統治者の能力値などの力関係に左右されます。(1)、(2)は交渉相手国を問いませんが、(3)だけは交渉相手国は本国でなければいけません。
(1)ぞっこくになれ(属国になれ)/実行必要能力・説得力25 体力5 武力10
 弱い国を服従させ、属国とします。
 相手が属国になる場合は、その国の統治者が支度金を要求してきますので、支払うかどうかを決定してください。支払えるだけの金がない場合は、交渉は決裂です。また交渉に失敗し、資産(金・食糧・特産品)の何割かをこちらに贈ることでごまかされてしまったり、まったく無視されてしまう場合もあります。同盟国に対してこのコマンドは実行できません。
(2)みつぎものをよこせ(貢物をよこせ)/実行必要能力・説得力15 体力5 武力5
 相手国に貢物(金・食料・特産品)を強要します。
 成功した場合は、相手国の所有資産のうち何割かがこちらに加算されます。同盟国に対してこのコマンドは実行できません。
(3)どうめいをむすぶ(同盟を結ぶ)/実行必要能力・説得力5 体力5
 敵国に対し、お互いに攻めこまないという不戦同盟を結びます。
 同盟の有効期限は5年間で、その間プレイヤーは相手国(本国・属国・直轄地のすべて)に対して、戦争をしかけることができません。不戦同盟を申し込むとき、交渉相手国に金10を贈り物として持参します。

12.スパイ
 指定した国にスパイを送りこみます。(1)は同盟国に対しても実行しますが、(2)(3)は実行できません。
(1)たこくをさぐる(他国をさぐる)/実行必要能力・(スパイ1人分)企画力5
 スパイを他国に潜入させます。
 1度スパイを送りこむと、相手国の国内捜査によってスパイが捕らえられるまで、いつでもその国の状態を見ることができます。コマンド実行には1人金10が必要です。1回分の命令で複数のスパイを複数の国に送りこめます。
(2)はかいかつどう(破壊活動)/実行必要能力・体力20
 城の強さと経済力の低下を目的としたスパイを送りこみます。
 破壊活動の成否にかかわらず、スパイは1回でその国から脱出してしまいます。金50が必要です。
(3)あんさつ(暗殺)/実行必要能力・武力20
 他国の統治者の能力値に打撃を与えます。
 成功した場合、相手の各能力値は半減します。金100が必要です。ただし、マルチプレイ時、他のプレイヤーに対してはおこなえません。
(4)こくないそうさ(国内捜査)/実行必要能力・統率力5 企画力5
 自国内にひそんでいる敵国のスパイを発見し、除去します。
 金20が必要です。

13.せんそう(戦争)※
  ・族長(国王)が指揮をとるとき…実行必要能力・統率力40 判断力10 企画力5 武力20
  ・将軍候補が指揮をとるとき…実行必要能力・統率力10 判断力5 企画力5 説得力5
 隣接敵国へ攻めこみます。
 戦争をするには、食糧と兵士のほかに、兵士数と同じだけの金が必要となります。また、戦争をするときには、族長(国王)が自ら出陣する場合と、配下の将軍候補を指揮官として派遣する場合の2種類から選択します。くわしくはHEX画面の説明を参照してください。
 族長(国王)・将軍・将軍候補が戦争に行って勝った場合、指揮をとった者の能力値が上がります(統率力:30 判断力:15 企画力:10 説得力:10 体力:20 武力:25)。また、負けたとしても能力値が下がることはありません。

14.なにもしない(何もしない)
 何もしないで1ターンを過ごします。このとき、本国では残り命令回数のすべてがパス扱いになります。

15.そのた(その他)
 ゲームに関するオプション機能です。
 ゲームの内容自体には関係なく、また、命令回数に入りません。
(1)セーブ
 ゲームの状態をS-RAMに記憶させます。
 セーブは1か所しかできません。新しくセーブし直すと、もとのセーブデータは消えてしまいます。
(2)ウェイト
 メッセージの表示時間を調節します。
 ウェイトタイムは1~10の範囲内で変更することができ、数字が小さいほど表示時間は短く、数が多いほど長くなります。ゲーム開始時には5に設定されています。
(3)おんがく(音楽)
 BGMを流すか流さないかの選択をします。
(4)こうかおん(効果音)
 ゲーム中の効果音を出すか出さないかの選択をします。
(5)せいしが(静止画)
 ゲーム中の静止画を表示するかしないかの選択をします。
(6)アニメ
 アニメーションを表示するかしないかの選択をします。
(7)せんじょう(戦場)
 コンピュータどうしの戦争をHEX画面上で見るか見ないかの選択をします。ゲーム開始時にはオフになっています。
(8)エンド
 ゲームを終了します。
 データのセーブ後、ゲームを終わらせるときには必ずこのコマンドを実行してください。
 以上、各種の設定が終わりましたら、Bボタンを押してください。コマンド受け付け状態に戻ります。


<青天の霹靂/イベント>

1.数値の変動
(1)春
 毎年春に必ずおこなわれ、数値が変わります。
(a) 食糧支給
 住民に食糧を支給します。住民数の半数が支給量になります。食糧が足りない場合、住民数が減ります。
(b) 年齢増加
 国王・将軍・子ども等の年齢がぞれぞれ1つ増えます。ここで寿命となった者は死亡します。
(c) 子ども誕生
 オルドでの后との回数に応じ、子どもが誕生します。子どもは最高5人まで持つことができます。
(d) 住民数
 新たに成年に達した住民の数が増えます。
(e) 徴税
 税率と経済力に応じた金を、住民から税金として徴収します。
 経済力が高いほど収入が多くなります。
(f) 給与
 兵士1に対し、金1の給与を支払います。金が足りない場合は、兵士数が減ります。
(2)秋
 毎年秋には食糧・特産品の収穫が必ずおこなわれ、数値が変わります。
 収穫量は、それぞれ食料作り、特産品作りに割り当てられた人数の1年間の合計です。戦争で敵部隊が略奪をおこなっていると収穫量が減少します。

2.イベント
(1)発生する季節が決まっているもの
(a) 大寒波
 北方で冬に発生します。
 モンゴル編:モンゴル全土
 世界編:国番号1~7、15~19
(b) 暴風雨
 南方で夏に発生します。
 世界編:国番号2、18、19、23~27
(c) 疫病
 春と秋にしばしば発生します。
(2)季節に関係なく発生するもの
(a) 内乱
 税率が高いときや、国のモラルが低いときに発生します。内乱が起きると本国や直轄地ではHEX画面になり、戦闘がおこなわれます。
(b) 反乱
 配下の将軍または将軍候補が族長(国王)に対しておこなう謀反のことです。
将軍候補の反乱
本国で反乱を起こす場合と直轄地で起こす場合があり、どちらもHEX画面に切りかわって戦闘がおこなわれます。
将軍の反乱
将軍が自分の統治している国で起こすもので、その将軍は独立します。戦闘は起こりません。
婚姻フラグ*が表示されている将軍及び将軍候補は、族長(国王)と血縁関係にあるため、反乱は決して起こしません。
(c) 食糧盗難
 犯人は非戦闘員です。住民のモラルが低下していたり、住民数にくらべて多すぎる食糧を持っていたりすると、起こりやすくなります。


<進軍開始!(1)/HEX画面>

 コマンド13:戦争で他国に攻めこむか、敵に攻めこまれたときは、MAIN画面からHEX画面に切りかわり、その国の地形が表示されます。
a)戦闘画面

(1) 現在、戦闘中の国の地形。
 戦闘コマンド7・偵察の地図によって地形全体の省略図を、ヘックスでは十字ボタンで画面を動かして全地形を見ることができます。
(2) コマンド上のメッセージなどが表示されます。
(3) コマンド表。

 戦闘コマンド6・情報を使用すると、データ画面に切りかわり、部隊・大将・作戦(戦場国の城の強さなど)についての情報が得られます。
b)データ画面

(4) 西暦・季節・戦場国番号・戦闘残り日数。
(5) 攻撃側データ・守備側データ。

プレイヤーの使用コントローラーの区別はコマンド表の選択カーソルによって示されます。左に表示されればコントローラーⅠ、右に表示されればコントローラーⅡです。


<進軍開始!(2)/HEX戦の規則>


1.地形
 地形のHEXには7種類あります。
 部隊はHEXを移動するたびに機動力を消費しますが、地形によって消費する機動力が異なります。また移動すると兵士数が減少するHEXもあります。
(1)平地
普通の平地です。
必要機動力・3
(2)森
移動するときに兵士が脱落するのでその数が多少減ります。
必要機動力・4
(3)山
移動すると兵士数が減少します。
必要機動力・5
(4)砂漠
移動すると山より高い割合で兵士数が減少します。
必要機動力・6
(5)海(湖)
移動すると著しく兵士数が減少します。
必要機動力・8
(6)町
平地よりも守備効果はかなり高くなります。
必要機動力・4
(7)城
最も守備効果が高いのですが、攻撃を受けると次第に低下していきます。
必要機動力・5

2.それぞれの部隊
 各部隊は、それぞれ機動力という数値を持っており、1HEX移動するごとに、その地形を移動するのに必要な機動力が引かれていきます。
(1) その部隊の部隊番号が表示されます。本隊は0か*で表示されており、0であれば族長(国王)がいることを意味します。*であれば直轄の部隊か配下の将軍です。第1部隊は本隊ではありません。
(2) その部隊の属性をグラフィックで表わします。部隊の属性は以下に示す3タイプがあります。
騎馬隊
機動力にすぐれています。平地では強く、森・山では守備力が低下します。
基本機動力・10
歩兵隊
平均的な強さを持つ部隊です。伏兵という特殊攻撃をおこなうことができます。
基本機動力・8
弓矢隊
1HEX先の敵を攻撃する遠距離攻撃をすることができます。
基本機動力・8
(3) 兵士数が実際の1/10の数値で表わされます。そのため兵士数が10未満の時0と表示されます。
(4) その部隊のいる地形です。

3.配置
 配置は攻撃側が先におこないます。
 攻撃側部隊は、自分の国番号がついているHEXに配置します。このHEXを出現・撤退ポイントと呼び、攻撃・守備両国の国境付近にあります。守備側は、攻撃側の出現・撤退ポイント以外のHEXでしたら、どこへでも配置できます。
 配置の方法は、十字ボタンで点滅するHEXを動かし、Aボタンで決定します。

4.戦闘
 攻撃側から命令を出します。命令は本隊から順に、各部隊が1つずつ出していき、攻撃・守備側とも終えたら、1日が終りです。この1日を1ターンといいます。戦闘日数はコマンド13:戦争を選択したのが何回目の命令かによって変わってきます。1回目の場合、90日間の戦争が可能です。2回目であれば60日間、3回目ですと30日間です。

5.勝利条件
 攻撃側、守備側ともに、
(a) 敵本隊の兵士数が0になったとき
(b) 敵本隊が退却したとき
(c) 敵の食糧が0になったとき
(d) 敵本隊が降伏したとき
(e) 敵の総大将を一騎討ちで捕らえたとき
に勝ちとなります。
 また、攻撃側の戦闘可能な残り日数が0になった場合は、守備側の勝ちです。ただし、この場合は攻撃側を追い払ったにすぎず、攻撃側の兵士と総大将は、食糧を持って自国へ帰ってしまいます。
 攻撃側と守備側の両方が同時にいずれかの勝利条件を満たした場合は、自動的に守備側の勝利となります。この時、攻撃側の総大将は、敵に捕らえられてしまいます。

6.戦後処理
(1)攻撃側が勝った場合
 攻めこんだ国が勝つと、戦場となった国はその国の領地となります。その場合、次の処理をおこないます。処理はすべておこなうとは限りません。
姫をオルドに入れるかどうか
 捕虜として捕らえた相手国の姫をオルドの中に迎え入れ、后にするかどうかの決定をします。
戦場国の統治者決定
 新たに領地となった国の統治者を決定します。《まえのとうちしゃ》を選びますと、敗れた敵将は自国の将軍となり、そのまま国を治めます。
敵将の処置決定
 捕らえた敵国の族長(国王)または将軍の処置を決定します。《しょうぐんこうほ》を選びますと、敗れた敵将は自国の将軍候補となります。ただし将軍候補がすでに5人いる場合、この選択はできません。
旧統治国の統治者決定
 ②で《せめこんだもの》を選んだ場合は、もとの国の統治者を《しょうぐんこうほ/ちょっかつち》より選択します。
優秀な人材を将軍候補にするかどうか
 攻めこんだ国にも優秀な人材は存在します。これらの者を将軍候補にするかどうか決定します。ただし将軍候補がすでに5人いる場合、この選択はできません。
複数の国を治める族長(国王)を倒しても、領地となるのは本国だけで、属国と直轄地は手に入りません。
(2)守備側が勝った場合
 敵将を捕らえているときだけ敵将の処置を決定します。
(3)内乱や反乱を鎮圧した場合
 首謀者の処置を決定します。反乱の首謀者は、服属させて再び将軍候補に戻すことができます。
戦争・内乱・反乱を鎮圧したときは、モラルが低下しています。
(4)戦争に負けたとき
 戦争に負けて族長(国王)が処刑された場合、ゲームオーバーとなりますので、負けそうになったとき、隣接する自国があれば早めに退却した方がよいでしょう。
 ただし、世界編において国王が攻めこんで負け、処刑された場合、本国に10歳以上の男子がいるときに限って、後継ぎを選んでゲームを続行することができます(上記「ゲームを始める前に/4.人物のタイプ/(c)子ども」参照)。


<帝王学戦術編(1)/戦闘コマンド一覧>

1.移動 全軍
分散
2.攻撃 通常
遠距離(弓矢隊のみ)
一騎討ち(本隊のみ)
伏兵(歩兵隊のみ)
3.待機
4.工作 降伏(本隊のみ)
援軍(本隊のみ)
略奪(攻撃側本隊のみ)
狩猟
5.退却
6.情報 部隊
大将
作戦
7.偵察 地図
ヘックス


<帝王学戦術編(2)/戦闘コマンド解説>

 このゲームには一騎討ち、略奪などさまざまなコマンドがありますが、実行できる部隊が限られているものもありますので注意してください。
戦闘コマンドを選択するさいにBボタンを押すと、コマンド表示が消え、その部隊のまわりの地形が見わたせます。なにかボタンを押すと元に戻ります。

●移動・攻撃の方向の決め方
 HEX戦の移動・方向決定におけるコントローラーの使い方は特殊ですので注意してください。
部隊が点滅しているとき、十字ボタンの右を押すと、点滅が消え、矢印が現われます。十字ボタンの上か下を押すと元の点滅状態に戻ります。
矢印が現われているとき、十字ボタンの右を押すと、矢印が時計回りに動きます。左を押すとその逆に回ります。Aボタンを押すと矢印の方向へ移動(攻撃、伏兵)します。
全軍移動・遠距離攻撃のとき、点滅の状態でAボタンを押すと、コマンド表示が消えて、部隊の位置が見やすくなります。そのとき十字ボタンの右か左を押すと、①と同じように矢印が現われ、そのまま移動や攻撃ができます。表示を再び見たいときはAボタンを押してください。

移動・攻撃方向の矢印は下図のように動きます。
①……十字ボタンの右を押す
②……十字ボタンの左を押す

戦闘コマンド1・いどう(移動)
 部隊を別のHEXに移します。
 HEX戦の各部隊は、それぞれ機動力を持ち、機動力がなくなるまで地形HEX上を移動することができます(上記「HEX戦の規則/2.それぞれの部隊」参照)。
 しかし、敵部隊に隣あうHEXを通過しようとすると、機動力が残っていてもそのHEXで止まってしまいます。ただし隣接する敵部隊兵士数の4倍以上の兵士を持つ部隊に限って、この制約を受けません。
 上記のやり方で移動させてください。
(1)ぜんぐん(全軍)
 その部隊すべてが移動します。途中で止まるときはBボタンを押してください。
 同じタイプの味方の部隊と、同一のHEXで合流し、複数の部隊の兵力を1部隊に集中させることができます。他の部隊と合流しますと、機動力が残っていてもそのHEXで止まります。
(2)ぶんさん(分散)
 1部隊が複数の部隊に分散するための移動です。
 分散移動は、機動力に関係なく分散のための1HEXしか移動できません。
 機動力が13以上の騎馬隊、11以上の歩兵隊・弓矢隊がこの移動をすることができます。分散移動によって発生した部隊は、それぞれ独立し、次のターンからは別々の戦闘コマンドが使えます。
 分散移動は、まず分散したい兵士数を決定し、次に移動方向を入力します。これを分散したいだけ繰り返します。ただし、すでに10部隊あるときは、それ以上に増やすことはできません。終わりましたらBボタンを押してください。

戦闘コマンド2・こうげき(攻撃)
(1)つうじょう(通常)
 通常の攻撃です。
 攻撃したい方向を入力して下さい(上記「●移動・攻撃の方向の決め方」参照)。
(2)えんきょり(遠距離)
 1HEX離れた敵を攻撃します。弓矢隊だけに可能な攻撃です。
 武装度によって攻撃回数に制限が加わります。また、敵に命中するかどうかは訓練度の高低によります。攻撃方向に敵部隊がいなくても攻撃を実行したとみなされます。攻撃方法を入力してください。
○印のHEXが遠距離攻撃の可能なHEXです。
(3)いっきうち(一騎討ち)
 本隊の大将どうしが1対1で戦います。
 部隊の兵力よりも、大将の能力差が勝敗を決します。
 本隊どうしが隣接しているとき、1度だけおこなうことができます。ただし直轄地の本隊ではできません。相手の能力が低すぎる場合には、一騎討ちを挑めないことがあります。また、一騎討ちに応じない場合は断わった側の統率力と武力が半減します。一騎討ちに勝つと、敵将を捕らえることができます。また捕らえることができない場合でも、敵兵士の約20%の者が寝返ってきます。
(4)ふくへい(伏兵)
 部隊をHEX上から一時隠し、この部隊が隠れているHEXに隣あう6HEXに敵が侵入したとき、攻撃を加えます。
 歩兵隊だけが持つ攻撃方法ですが、本隊が歩兵隊の場合、この攻撃はできません。訓練度の数値によって、1回の戦争での伏兵できる回数が決まります。
 伏兵中の部隊に出せる命令はたいき(待機)とかいじょ(解除)のふたつです。伏兵を続ける場合は待機を、やめる場合は解除を選んでください。
 移動の時のやり方で伏兵させるHEXを選んで下さい。ただし、移動せず、その場に伏兵させる場合は、十字ボタンの上か下を押して、矢印が出ていない状態でAボタンを押してください。
 なお、敵部隊に隣接するHEXには伏兵できません。

戦闘コマンド3・たいき(待機)
 現在のHEX上に部隊を待機させます。
 待機すると機動力が1上がります。機動力の上限は、騎馬隊が15、それ以外は13です。

戦闘コマンド4・こうさく(工作)
(1)こうふく(降伏)
 敵に降伏を勧めます。ただし本隊どうしが接しており、勝敗がほぼ決定している場合のみです。
(2)えんぐん(援軍)
 戦場国に隣接する自国に金と兵士があるとき、本隊は、1回の戦争中、1国につき1度だけ援軍を要求することができます。この場合、援軍を要求したい国の出現・撤退ポイントに本隊がいなければなりません。援軍は要求してから3日後に到着します。ただし食糧を持ってくることはできません。また、要求した数の兵士がすべて来るとは限りません。
(3)りゃくだつ(略奪)
 攻撃側の本隊にかぎり、敵の町に入って略奪をおこない、食糧を得ることができます。
 守備側の部隊は自分の町で略奪することはできません。また、MAIN画面上で臨時徴収をおこなっていると、その国の町では、次の秋がくるまで略奪ができません。
(4)しゅりょう(狩猟)
 敵部隊と隣接しておらず、森にいるときに、すべての部隊は狩猟をおこなうことができます。
 次の1日は狩猟に費やしますので、そのときには命令を受けつけません。狩猟をすると食糧が手に入ります。

戦闘コマンド5・たいきゃく(退却)
 戦場国と隣接する国が自国の場合、その国へ退却することができます。ただし退却したい国の出現・撤退ポイントにその部隊がいなければなりません。
 将軍候補を最高の5人まで持っている族長(国王)が自分の属国へ退却すると、その属国を統治している将軍は、野へ下ってしまいます。
 本隊が退却すると、戦争は終了します。そのとき、戦場国に味方の部隊が残っていると敵の兵力となります。

戦闘コマンド6・じょうほう(情報)
(1)ぶたい(部隊)
 攻撃・守備側の各部隊の正確な兵士数を知ることができます。
(2)たいしょう(大将)
 攻撃・守備側の総大将の能力を見ることができます。
(3)さくせん(作戦)
 戦場国の城の強さおよびモラル、攻撃・守備側の武装度・訓練度を見ることができます。

戦闘コマンド7・ていさつ(偵察)
(1)ちず(地図)
 戦場国全体の略図を見ることができます。
 黒地にAのマークが攻撃側部隊、同じくDのマークが守備側部隊です。見終わりましたら、何かボタンを押してください。元に戻ります。
(2)ヘックス
 十字ボタンで方向を動かして、戦場国全体の地形と、隣接国の出現・撤退ポイントを見ることができます。
 見終わりましたら、AボタンかBボタンを押してください。


<動乱の世紀/中世列国秘史>

モンゴル帝国の侵攻、そして十字軍の遠征。「蒼き狼と白き牝鹿・ジンギスカン」は、中世の2大事件を背景にしている。世界編に登場する国々は、いかなる興亡の歴史をたどっただろうか。

1国・モンゴル帝国 ジンギスカン
 ――上天より命ありて生まれたる蒼き狼ありき。その妻なる惨白き牝鹿ありき大いなる湖を渡りて来ぬ。
 これはモンゴル民族の起源を語った伝説である。神命を受けて生まれた狼が、白く美しい牝鹿を妻とし、湖水を渡ってやってきたという。のちにジンギスカンとなるテムジンも、この話を聞いて育ち、この誇り高き狼に憧れを抱いていた。
 1155年、テムジンはボルジギン氏族の長、エスゲイを父として生まれた。しかし、父は彼の幼い頃に謀殺され、部族の者は去り、テムジンとその母、兄弟だけが残された。家族は困窮し、他の部族からは狙われ、辛く苦しい日々が続いた。それでも彼は、不屈の精神を養い、勇敢で戦闘的な若者に成長する。
 テムジンは17歳になり、許嫁ボルテを妻に迎えた。その後、ボルテをメルキト族に奪われると、ケレイト族のトオリオル汗や、旧友ジャムカの支援を得て、メルキトを討ち、奪還に成功する。トオリオル汗と同盟を結んだテムジンは他の部族を共同で倒し、勢力を広げていった。しかし、テムジンがモンゴルの覇者となるためには、トオリオルも避けられぬ敵だった。
 かつての盟友をも倒し、モンゴル高原を統一したテムジンは、クリルタイ(大会議)によってジンギスカンの称号を得て、モンゴル帝国の皇帝となる。そしてモンゴル高原の外へ遠征を開始したが、1227年、志半ばで没する。だがモンゴル軍の征服地は彼の死後、息子たちに受け継がれ、さらに広がっていくのである。
2国・金 宣宗
 金は、1115年、女真族がたてた国である。この満州の小国は、遼を滅ぼし、宋に攻めいり、その北部を占領し、燕京(今の北京)に首都を定め、中国文化を取り入れるようになった。
 しかし第7代皇帝衛紹王の頃からモンゴル帝国の侵入が始まり、次代宣宗のとき、開封に遷都を余儀なくされ、1234年、モンゴルと南宋の連合軍に滅ぼされた。
3国・クマン族同盟 バスチカン
 配下ジェベとスブタイの遠征によって、この地方もジンギスカンのものとなった。1225年、遠征軍はモンゴルへの帰途についたが、長子ジュチはこのキプチャク草原に残り、病死する。
 彼の息子バトゥがこの地にキプチャク汗国を建国するのはその18年後のことである。
4国・キエフ公国 フセボロト3世
 配送するキプチャク人はキエフ公国へ逃れた。ロシア諸侯は会議を開き、彼らと共同してモンゴル軍を迎え討つこととなった。1223年、カルカ河をはさんで両者の死闘が始まる。結果はロシア側の大敗で、9万の兵の90%が倒されるという悲惨なものだった。
5国・ドイツ騎士団領 ザクセン公
 3大宗教騎士団のひとつ。宗教騎士団とは修道士と騎士の両性格を持った団体で、聖地の警備、巡礼者の保護、異教徒征伐が主な仕事だった。しかしこの騎士団は聖地ではあまり活躍せず、ヨーロッパでの所領争いや貿易で栄え、国家的性格を強くしていった。
6国・ポーランド レシェク1世
 2度目のヨーロッパ遠征時にモンゴル軍のバトゥは1分隊をポーランドに差し向けた。モンゴル軍は破竹の勢いで進軍し、ポーランドの国境を越えて、シレジアに侵入する。それを待ち受けていたのがドイツ・ポーランド連合軍である。しかし、機動力にまさるモンゴル軍は欧州軍を撃破した。これをワールシュタットの戦いという。
7国・イングランド リチャード1世
 獅子心王リチャード1世は、プランタジネット朝の創始者ヘンリー2世の3男である。
 リチャードをはじめとする息子たちは、フランス王族出身の母アリエーヌにそそのかされて父ヘンリ―から離反するに至る。1189年、フランスのアキテーヌ侯領を相続したリチャードは、ときのフランス国王フィリップ2世と連合を組み、ヘンリ―2世を攻撃した。追いつめられたヘンリーはリチャードの要求を受け入れ、その数日後に没する。
 同年、彼は戴冠し、リチャード1世となる。彼は有能な軍人であり、戦争好きな性格で、その関心は十字軍に向けられていた。リチャードは神聖ローマ帝国のフリードリヒ1世、フランスのフィリップ2世とともに第3回十字軍に参加したが、フリードリヒは事故死し、フィリップ2世軍は途中で帰国してしまい、苦戦を強いられる。聖地回復を果たせぬままに帰途についたリチャードは、運悪くオーストリア侯に捕らえられ、神聖ローマ帝国皇帝ハインリヒ6世の捕虜となってしまう。
 身代金を払う約束で、リチャードは釈放された。そして、彼が不在のあいだにフランスと組んで王座を奪おうとした弟ジョンをただちに追撃し、捕らえたが、リチャードは、「子どものしたこと」としてジョンを許してしまう。その後もノルマンディーをめぐってフランスとのいさかいが続いたが、1199年、矢を受けた傷が壊疽になり、それがもとで死亡した。戦にあけくれた彼は、十年の治世でわずか6か月しかイングランドにいなかったという。
8国・フランス フィリップ2世
 国力の弱まっていたカペー王朝を立て直したのがこの尊厳王、フィリップ2世である。
彼は、フランス西部をイギリスから取り戻すために、リチャード1世、ジョン王と争い、これに成功した。また、アルビジョア十字軍を派遣して南フランスにも王権を伸ばし、封建王政の基礎を固めた。
9国・神聖ローマ帝国 ハインリヒ6世
 第3回十字軍で溺死したフリードリヒ1世の子がこのハインリヒ6世である。十字軍帰りのイギリス王リチャード1世を捕虜とし、国内の諸侯と和解した後、シチリアに向い、その王位を得る。この国の「イタリア政策」は、ドイツ本国の政治をおろそかにさせ、中央集権化による統一を遅らせることとなった。
10国・ハンガリー エンドレ2世
 ハンガリー人(マジャール人)は、もとは中央アジアのトルコ系の遊牧民族である。9世紀終りごろに定着し、ヨーロッパ的になり、キリスト教を信奉する。モンゴル帝国のバトゥは、ヨーロッパ遠征のおりにこの国に攻めこみ(1241年)略奪の限りを尽くしたが、オゴタイ汗が死んだため兵を引きあげ、モンゴルに帰還した。
11国・ビザンツ帝国 アレクシオス
 当時のビザンツは、封建貴族の連合国家で、自立をめざす貴族勢力が強大になりすぎて、皇帝の権力は弱体化していた。
 貴族の力を抑えて専制国家を再建しようとしたアンドロニコス1世の政策が失敗に終り、代わって帝位をとったのがイサキオス2世である。彼は、逆に貴族の利害を守り、貴族に対する統制を緩めた。すると貴族の横暴はますます激しくなり、自立をめざす貴族の反乱が多数生じた。例えばキプロス島に渡り、独自の支配を始めたイサキオス・ドゥーカス・コムネノス。小アジア西部の町フィラデルフィアで自ら皇帝を名乗り、自分の名を刻んだ銀貨の鋳造をおこなったテオドロス・マンカファース。
 すでに政府にはこれらの力を抑えることは不可能だった。このゲームでの国王、アレクシオス3世に政権が渡った時には、帝国はすでに分裂の危機に瀕していた。
 ここに、前皇帝イサキオス2世父子の要請で、第4回十字軍が進軍してきたのである(1204)。コンスタンチノープルは開城し、イサキオスとその息子アレクシオス(4世)は共同統治の皇帝となった。しかし、新皇帝は十字軍への報償金が払えず、さらに、クーデターが起こってアレクシオスは処刑されてしまう。次の皇帝が即位すると、十字軍も黙っていられずに、再度コンスタンチノープルを攻略、陥落させ、彼らはラテン帝国をこの地に建てたのであった。
12国・セルジュク連邦 ケレクバド
 1055年にセルジュク・トルコはバグダードに入城し、イスラム世界の主導権を握る。1071年には、ビザンツ帝国軍を破り、十字軍結成のきっかけとなった。マリク・シャーの治世にセルジュク朝の領土は最大となったが、彼の死後、弱体化し、第1回十字軍に攻めこまれた。
13国・ホラズム ムハンマド
 一時は中央アジア北西部全域を支配したこの王国も、モンゴルからきた隊商を虐殺したために、ジンギスカンの怒りを買い、モンゴル軍の来襲を招いた。サマルカンドは陥落し、ホラズムは1220年に滅亡した。追撃をうけたムハンマドは、カスピ海の孤島まで逃亡し、そこで病死した。
14国・西遼 チルク
 遼が滅ぼされたとき、西方へ逃れた耶律大石が12世紀に建てた王国。カラ=キタイもしくは黒契丹とも呼ばれる。発展期には、よくイスラム勢力と衝突し、これを破ったので、その頃の十字軍は大喜びし、耶律大石は東方のキリスト教の王ではないかという説が広まった。西ウイグル、カラ=ハン朝を征服し、版図を広げたが、ナイマンから亡命したクチュルクに国を奪われた。
15国・ウイグル バルチュク
 商人でおなじみのウイグルは、12世紀の前半には西遼に服属していた。しかし国王バルチュクは、西遼の代官の過酷な要求に耐えられず、これを斬って離反し、モンゴル帝国に降った。
 もともとこの民族は遊牧民だったが、オアシスに定住するようになると、東西交流の拠点として、また文化国家として栄えた。
16国・西夏 桓宗
 モンゴル高原の統一を遂げたジンギスカンは、次に西夏(タングート)に目をつけた。東西貿易で潤っていたのも魅力だったが、ここをおさえて金に攻め入ろうというのが第一の目的だった。4回侵攻したが、滅亡させたのは1227年のこと。ジンギスカンの没年だった。
17国・吐蕃 サキアパ
 吐蕃とはチベットの中国名である。モンゴル帝国はモンケ汗の時代に、この地のラマ教政権を服属させた。帝国はラマ僧を呼び、仏事をおこなわせた。これ以来、ラマ教はモンゴルと深く結びつき、モンゴルの国教としての地位を占めるようになった。ちなみにモンゴルの国字のアルファベット(パスパ文字)は、パスパというラマ僧の手によるものである。
18国・高麗 神宗
 935年に新羅を滅ぼしてから14世紀末まで457年間続いた朝鮮の王朝。モンゴル帝国はフビライの代になり、中国北部を攻めとって国名を元と改めた。そして元は高麗を属国とし、2度の日本遠征の基地として経済的に圧迫した。その上14世紀には倭寇の襲来で被害を受け、衰亡への途をたどった。
19国・日本 源頼朝
 1180年、源頼朝は、ついに平氏討伐の兵を挙げた。頼朝の父義朝が、平治の乱で平氏に敗れてから20年後のことである。だが平清盛を頭領とする平氏は未だ隆盛をきわめており、頼朝軍は相模の石橋山で戦に敗れ、海路で安房に逃れた。頼朝は鎌倉に入ってここを本拠地とし、平氏全盛に不満を持つ関東豪族の支持を得て、東国支配の基礎を固めた。
 その後、平清盛が病死し、平氏の勢いが弱まると全国で反乱の火の手が上がりはじめる。1183年、頼朝のいとこにあたる木曽義仲は、平氏軍を撃ち破って入京し、平氏は西へ逃れた。京では、幽閉されていた後白河法皇が解放され、朝廷内での権力を取り戻した。だが法皇は、義仲の兵の粗暴な振舞いに失望し、対立する。
 朝廷から東国の支配権を認められた頼朝は、源氏の頭領として義仲を配下に加えようとして法皇に働きかけた。それを聞いた義仲は怒って後白河法皇を監禁する。頼朝は、弟範頼・義経を京へ差し向けて、義仲を倒した。この軍はそのまま平氏討伐に向い、壇の浦に平氏を滅亡させる。
 つぎに後白河法皇は、頼朝が強大になりすぎたのを危惧して、義経を使ってこれを討とうとする。しかし、義経には兵が集まらず、逆に頼朝に追撃され、奥州平泉で討たれた。
 後白河法皇も没し、敵のいなくなった頼朝は、1192年朝廷から征夷大将軍に任命された。ここに鎌倉幕府が始まるのである。
20国・ムワッヒド朝 スルタン
 北アフリカ一帯を支配したベルベル人のイスラム王朝。一時はスペインにまで勢力をのばし、東はエジプトの国境にいたる広大な領域を支配した。1170年に首都をセビリアに移したが、13世紀に入ると国土回復運動(レコンキスタ)が盛んになったスペイン軍に敗れ、北アフリカに後退、のちに衰退した。
21国・アイユーブ朝 サラディン
 1169年、サラディンはファーティマ朝のあとを継いでアイユーブ朝を開いた。北アフリカからユーフラテス河方面まで版図を広げ、1187年にはキリスト教軍からエルサレムを奪回。第3回十字軍に対しても敢然と戦い、エルサレムを守りぬき、反十字軍の雄としてイスラムの民の尊敬を集めた。
22国・カリフ領 カリフ
 カリフは「代理者」を意味し、全イスラム教徒の指導者という地位にあるのだが、13世紀頃にはそれもすでに有名無実となり、国自体の勢力は衰退していた。1258年、モンゴル帝国のフラグは、バグダードに攻め入り、カリフ領は滅亡する。西アジア一の大都市は壊滅し、かつての繁栄はあとかたもなく消え去った。その後フラグは首都をタブリズに移し、イル汗国を建国する。
23国・インド諸王朝 バルラーラ2世
 北インドでは、5世紀の中ごろから、中央アジア系のラージプト族が侵入し、各地に王朝をたて、同族間での争いが長い間続いた。その中でも、9世紀はじめに成立したチャンデール朝は有力な王朝であり、13世紀はじめのゴール朝の侵入にはラージプト諸族軍の中心として活躍する。しかしゴール朝はラージプト軍を破り、将軍アイバクはこの地に奴隷王朝を開いた。
24国・ゴール朝 ゴーリー
 アフガニスタンのガズニ朝の衰微に乗じて、地方の王家の末裔ゴーリー兄弟がこれを奪取して興したイスラム王朝。弟のムハンマド・ゴーリーは国の東部の政策を担当していたが、イスラム教を布教するためインド征服を決意する。その後、ゴール朝自身は、13世紀のはじめにホラズムとの戦いに敗れ、滅亡した。
25国・パガン朝 ナラパテシトゥ
 11世紀ごろ、ビルマのパガンを都としておこった仏教王朝。南方から伝わった小乗仏教を取り入れ、寺院の建立はめざましく、マルコ・ポーロもその壮麗さを讃えている。13世紀には元に貢ぎ物を要求されたが、その使者を斬ったため、元の攻撃にあい、敗れて服属した。
26国・南宋 寧宗
 唐が滅亡した後、五代王朝を経て、宋は960年に成立した。軍事よりも文化に力を注いだ国で、多くの文人学者が現われた。だが、そのために武力は弱まり、1127年には金の侵入によって首都を南の臨安に移さざるを得なかった。これ以後を南宋という。そののち、モンゴル帝国とともに金を滅ぼすが、元朝成立の後、フビライ汗に攻めこまれ、1279年、滅亡した。
27国・大越大理 段宗
 大越は現代のベトナム、大理は中国の雲南省に段氏が建てたタイ族の国である。モンケ汗の命でフビライは南方遠征を始め、大理に攻めこみ、1253年にこれを征服した。その後、汗となったフビライは、日本攻略失敗後の1284年、矛先を変えて大越に侵攻した。しかし大越は激しく抵抗し、元軍を破り、国を守りぬいたのであった。


<列国興亡年譜>

西暦事     項
1115金、建国。
1127宋、金に討たれたのち、南宋として復興。
1132金に滅ぼされた遼の耶律大石が西遼を興す。
1155テムジン生まれる。
1159日本、平治の乱。源頼朝、伊豆に流される。
1169サラディンを宰相としてアイユーブ朝興る。
1185日本、壇の浦において平氏滅亡。
1186ゴール朝、ガズニ朝を滅ぼす。
1187サラディン、キリスト教徒からエルサレムを奪回。
1189第3回十字軍、エルサレム回復ならず。
1190ドイツ騎士団創設。
1192日本、鎌倉幕府成立。
1199イングランド王リチャード1世、死亡。
1204第4回十字軍、コンスタンチノープルを占領。
1206テムジン、クリルタイ開催。可汗(汗)の位につく。ジンギスカンの号を奉られる。
1206ゴール朝がインドに攻めこみ、イスラム王朝を創始。
1211ナイマンのクチュルク、西遼に亡命後、この国を滅ぼす。
1215ゴール朝滅亡。
1220ホラズムのムハンマド王、ジンギスカンに追われ、カスピ海上の小島にて死亡。
1223モンゴル軍、カルカ河畔にてロシア諸侯の軍を破る。
1227西夏滅亡。8月、ジンギスカン死亡。ケルレン河の上流に葬られる。オゴタイが新しいモンゴルの汗となる。
1230オゴタイ汗、金征伐開始。
1234オゴタイ汗、金を滅ぼす。
1235オゴタイ汗、カラコルムに帝国の首都を建設。バトゥを元帥としてロシア遠征。キエフを壊滅。
1236バトゥ率いる遠征軍、2度目の欧州遠征をおこなう。
1242バトゥ、東ヨーロッパに侵入。ドイツ・ポーランド連合軍を破る。ハンガリーを征服。
1243バトゥ、ヴォルガ河畔のサライに都を建て、キプチャク汗国を建国する。
1257モンゴル軍、ベトナムに侵入するが撃退される。
1258フラグ、バグダードを攻略。アッバース朝を滅ぼし、イル汗国を建国。
1260モンゴル帝国、フビライが第5代汗に即位。
1261ビザンツ帝国復興。
1264フビライ、都を大都に移す。
1271フビライ、国名を元と改める。
1274元、日本に遠征軍を送るが、失敗する。(文永の役)
1275マルコ=ポーロ、元の上都にいたる。
1279元、南宋を滅ぼす。
1281元、再び日本に遠征するが、失敗する。(弘安の役)
1294フビライ、死亡。祖父の眠るケルレン河畔に葬られる。
1298モンゴル、ベトナムに侵入するが、撃退される。
1368紅巾の乱により、元朝は致命的な打撃を受ける。紅巾の乱の指導者洪武帝が即位、国号を明と定める。元を滅ぼす。


ゲームの説明書サイト“げーむのせつめいしょ(仮)”
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