山村美紗サスペンス
京都龍の寺殺人事件
有名なゲームデザイナー(あなた)が出会う、次々と起こる連続殺人事件。
しかも、それもあなたが今構想中のゲーム内容のシナリオ通りに起こってゆく……。
<原作者からのごあいさつ>
「テレビゲームで解く推理小説を創りたい」
このお話をいただいたのは私自身ファミコンソフトに興じていたころでした。私も様々なゲームソフトの持つ不思議な魅力と奥の深さを感じていましたのでペンにも力が入りました。この「京都龍の寺殺人事件」は京都の街を舞台にした作品で、龍にまつわる寺で次々と事件がおこります。その中であなたは事件の真相を究明しなければなりません
。事件をとりまく人間関係。緻密なトリック。次々と深まるナゾ…。今までのアドベンチャーゲームのステップアップ方式とはちがい、推理小説としてのポジションから見た「情報の収集と整理」に大きな役割りを持たせているのでトリックの解明や推理することの楽しさを体験できるよう書き下ろしました。ぜひ私のトリックに挑戦してください。最後にヒントをひとつ。「春の京都のサクラからこの事件は始まり、春の京都のサクラで終る。」
山村美紗
<目次>
序章 登場人物 捜査のてびき 捜査を開始しよう パスワード・メモ |
<序章>
その事件は桜の花の舞う 京都、龍の寺で起こった
主人公は新作ゲームのイベントのため、京都の龍安寺にやってきたゲームデザイナー。ところが龍安寺で、偶然にも女性の死体を発見。その手のひらには文字の書かれた6枚の桜の花びらが握りしめられていた。殺された女性の名は尾沢百合子。京都でも有数の資産家の娘だ。しかし、事件はこれだけにとどまらず、第二、第三の殺人事件に発展していく。京都の龍の寺々を舞台にして……。
驚くべきことに、一連の殺人事件は、ゲームデザイナーが構想中の次のゲームの内容とそっくりに進んでゆくのだった。そのために京都府警本部の狩矢警部に容疑者としてマークされてしまう。
このゲームデザイナーとは、あなたのこと。推理力バツグンのパートナー、キャサリンの協力を得て、独自で事件の捜査を開始するが尾沢家の財産をめぐる争いなど、複雑な人間関係が入り乱れ、謎はますます深まっていくのだった……。
<登場人物>
主人公 ファミコンの人気ゲームデザイナー。イベントのために来た京都の寺で恐るべき殺人事件にまきこまれるが、キャサリンたちの協力を得て、事件を解決しようとする。キミこそがその主人公自身なのだ。 | |
キャサリン 元アメリカ副大統領の娘で、推理マニアの美女。主人公の良きパートナーとして、事件に関するスルドイ助言をしてくれる。カフェ・ド・ミサにいることが多い。京都府警本部の狩矢警部の親友。 | |
マダム キャサリンの行きつけの店、カフェ・ド・ミサの女主人。店に行って、中断のコマンドをするとパスワードを教えてくれる。そのほかにもいろいろなヒントをくれたりする。山村先生に似ているという噂。 | |
狩矢警部 京都府警本部の腕きき警部。龍安寺で起こった殺人事件の担当。行動派で、府警本部にいないことが多い。主人公に疑惑を抱いてはいるが、事件に関する重要なヒントを教えてくれることもある。 |
|
|
<捜査のてびき>
■名前を入力する
ゲームを始めると下のような画面が出てくる。十字キーでカーソル移動、
メインスクリーン | 自分のいる場所、話している相手が写し出される。動きを見よう。 |
サブコマンド画面 | アイコンを決定するとコマンドが出る。カーソルで選んで進行する 。 |
アイコン | このアイコンを選ぶことによってゲームを進めていく。(下記「■アイコン及びサブコマンド」参照) |
メッセージ画面 | 会話や質問などが表示される。Aボタン2回で、表示スピードUP。 |
カーソル | メッセージ終了を表わす。点めつしているときは続く、ということ。 |
十字キー | ①アイコンを選ぶときのカーソルを、左右で移動することができる。使いたいアイコンの所でAボタンで決定。 ②サブコマンドを選ぶときのカーソルを上下で移動する。 ③名前、パスワード入力時のカーソルを上下左右に移動する。 |
SELECTボタン | タイトル画面時の、スタート及びコンティニューを選ぶときに使用する。 |
STARTボタン | ゲームを始めからスタートするときに使用。 |
Aボタン | ①アイコン、サブコマンドの決定、パスワード、名前入力時の文字決定に使用。 ②Aボタン2回プッシュでメッセージスピードが速くなる。 |
Bボタン | Aボタンで決定したコマンドを解除したいときに使用する。 |
その他 | サブコマンド表示画面のコマンドの下に▼カーソルが表示されているときは、十字キーの下を押すことによって、追加コマンドが表示される。 |
|
|
<捜査を開始しよう>
■舞台は京都龍の寺……
事件は京都、龍安寺から始まり、主人公の住む部屋を中心に展開していく。尾沢家、カフェ・ド・ミサ、府警本部などには、何度も何度も足を運ぶことになる。土地カンを養っておこう。
■事件捜査の基礎知識 その1
調べるコマンドを使って「その他→そのへん」を選ぶと、画面に指カーソルが出てくる。これでスミからスミまで画面の中を調べよう。
● | まず大切なのは人の話を聞く、ということ。関係なさそう、と思っても話はしつこく聞き出すこと。 |
● | 電話は部屋やビルの中ならば、だいたいかけられる。番号などが出てきたら、必ずメモっておくように。 |
● | パスワードはカフェ・ド・ミサのマダムに聞く。捜査を中断するときは必ずマダムと会って中断コマンドだ。 |
● | 自分の部屋に戻る、というのも捜査のくぎりをつける上でとても大切なこと。つまったら部屋で考えよう。 |
● | ポイント ゲーム開始直後から、事件にかかわってくる尾沢家の人々。尾沢家に何度も足を運び、いかにしてヒントをつかむかが謎解きのきっかけになってくる。尾沢家の人々の話や、部屋の中にあるものをよーくチェックして推理していこう。最初は話せない人物や、入れない部屋などもあるから、頭を使って行動しよう。 |
1 | ヒントを聞く 何をするべきかわからないときは、キャサリンのいるところ(例・カフェ・ド・ミサなど)に行ってキャサリンコマンド。ヒントを聞ける。 | |
2 | 考えるコマンド 自分がつかんでいる事件の手がかりを整理してみたくなったら、考えるコマンドを使ってみよう。わかりやすく整理されるぞ。 | |
3 | 再チェックする サブコマンドの使い方によって謎解きの進行状況は大きく変化するぞ。やりのこしたことはないか、調べ忘れたものはないか、何度も足を運んでチェックしていこう。 |
<パスワード・メモ 注意!!>
パスワードは全部で20ケタ。1ブロック5ケタで4ブロックのスペースに文字を入れていく。1マスあいているときは、ちゃんと1マスあけて入力しよう。
<あとがき>
♪♪~(小林明風に)「キョートーにいるときゃキャサリンと呼ばれたの~コーベじゃぁーステーキおいしいよぉ~」。いきなりプッツンで登場してしまいました。やっと完成龍の寺。おかげさまをもちまして発売することが出来ました。みなさんぜったいに途中であきらめず最後までがんばってくださいよ!
最後に山村先生、スタッフのみなさんありがとうございました。次のソフトはレプリカートとアルカノイド2だ。よろしく!!
このたびはタイトー・ゲームカセット「京都龍の寺殺人事件」をお買い上げいただきまして誠にありがとうございました。
ご使用の際には、取り扱い方、使用上の注意など、この「取り扱い説明書」をよくお読みいただき、正しい使用方法で、ご愛用ください。なお、この「取り扱い説明書」は、大切に保管してくださるようお願い致します。