名探偵ホームズ
霧のロンドン殺人事件
このたびはトーワチキのファミリーコンピュータ用カセット「名探偵ホームズ 霧のロンドン殺人事件」をお買い上げいただきまして、誠にありがとうございます。プレイされる前にこの「取扱説明書」をよくお読みいただき、正しい使用方法でご愛用ください。なお、この取扱説明書は大切に保管してください。
<CONTENTS>
プロローグ - 夜のロンドン プロフィール 捜査スタート コンティニュー コントローラの使い方 |
画面について コマンドモードの説明 名探偵の条件 【別紙】W.NortonのDIARY |
<プロローグ>
夜のロンドン
1895年3月16日――霧の都ロンドン。
ホームズとワトスンが下宿しているベーカー街221Bのドアを、ひとりの女性がノックしたとき、すべては始まった。彼女の名前はベロニカ・ノートン。ベロニカは彼女の父、ウイリアム・ノートン教授のことを相談に来たのだ。大英博物館をつい先頃、退官したばかりのノートン教授が、昨日の朝、家を出かけたきり帰ってこないという。
「父は真面目な人で、今まで黙って家を出たこともなかったのです。それが、どこへ出かけるのかも言わずに帰ってこないので……。」
ベロニカは心配そうに言った。
「ワトスン、ひとつ捜査をしてみようじゃないか。」
ホームズの言葉に、ワトスンがうなづいた。
「ああ、ホームズ。君なら、きっとどんな難事件でも解決できるだろう。」
果たしてノートン教授は誘拐されたのか、それとも何らかの理由で、自ら姿を消したのか。誘拐されたとすると犯人は誰なのか? そしてその動機は……。
すべてはあなたの推理力にかかっている。
<プロフィール>
シャーロック・ホームズ ロンドン、ベーカー街221Bに住む。頭脳明晰であり、数多くの難事件を解決している名探偵である。が、その経歴は謎に包まれている。 | |
ジョン・ワトスン 1878年ロンドン大学卒。第二次アフガン戦争に軍医として従軍。帰国後、ホームズと共同で下宿を借りる。医者として働くかたわら、捜査の手助けをしている。 | |
ハドソン夫人 ホームズとワトスンの下宿の女主人。ときにはホームズの捜査に協力することもある。 | |
ベロニカ・ノートン 今回の捜査の依頼人。1872年ロンドン生まれ。父親思いのやさしい娘である。 | |
ウイリアム・ノートン 1841年生まれ。オックスフォード大学卒業、大英博物館に勤める。1895年初め退官。 | |
マイクロフト・ホームズ シャーロックの7つ年上の兄。ホワイトホール街にある官庁の会計検査を勤めている。シャーロック同様、観察や推理能力に優れている。 | |
レストレード警部 スコットランドヤードの警部。ホームズには何度も捜査を助けてもらっている。 | |
グレグスン警部 レストレード警部の同僚。レストレードと同じように、ホームズによくアドバイスを求め、捜査を進めている。 |
<捜査スタート>
ファミリーコンピュータの本体にカセットをセットしてから、POWERをONにしてください。タイトル画面が出ます。
<コンティニュー>
■ゲーム再開
タイトル画面で“CONTINUE”を選ぶと、下のような画面になります。パスワードを入力すると、前回中断したところからゲームが始められます。文字の入力は、十字キーで文字を選び、Aボタンで決定します。間違った文字を入力したときは、直したい文字にカーソルを合わせ、入力します。文字の入力が終わったらAボタンを押します。
<コントローラの使い方>
このゲームでは、移動モードとアドベンチャーモードでコントローラの使い方が違います。
■移動モード
● | 十字キー:ホームズとワトソンが徒歩で移動するときに使います。動きたい方向にキーを押して操作します。 |
● | スタートボタン:ポーズがかけられます。 |
● | Aボタン:町の人と話をするときに使用します。また馬車に乗るときも使います。 |
● | 馬車に乗る場合 馬車の横まで行き、Aボタンを押すと、アドベンチャー画面に切り替わります。行き先を選ぶと、自動的に目的地に着きます。ただし馬車で移動するとお金がかかります。 |
● | 十字キー:上下でコマンドを選びます。また左右でコマンドの切り換えができます、むしメガネの移動のときにも使います。 |
● | Aボタン:コマンドの決定に使用します。メッセージの続きを見るときにも使います。 |
● | Bボタン:コマンドがキャンセルできます。 |
<画面について>
■メインスクリーン
自分のいる場所のグラフィックが表示されます。
<コマンドモードの説明>
■いどう
建物の中へ入るとき、外へ出るとき、他の場所へ行くとき、他の部屋に入るときに使います。馬車に乗ったときもこのコマンドが表示されるので、行き先を選びます。
■? ホームズからワトスンへ、またワトスンからホームズへ、操作するキャラクターを変えるときに使ったり、ホームズでしかできないこと、またワトスンでしかできないことを実行するときに使います。「にっきをかく」もこのコマンドの中に入っています。 ■サブコマンド メインコマンドを選んだ後、さらにコマンドが表示されることがあります。移動するときの目的地や見せる持ち物の名前などのことです。メインコマンドと同じように、十字キーで選び、Aボタンで実行してください。 |
<名探偵の条件>
■聞きこみは完全に。
人の話は最後まで、しかも聞けることはすべて聞くようにしよう。一見、事件に関係なさそうな話から、手がかりが得られることもある。
こんなことにも注意しよう。
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REAL ADVENTURE GAME Ⅱ
名探偵ホームズの続編を企画中!
ワトスンとのコンビで再び難事件を解決しよう…
<【別紙】W.NortonのDIARY>
6月18日
遺跡の調査は順調に進んでいる。わたしを含めた7人のメンバーも張り切ってはいるがたいした発見がないのが残念だ。明日はどこまで進むだろう。今頃、ベロニカは何をしているだろう。1日も早く帰って笑顔を見てみたい。
6月19日
今日で遺跡の調査も5日目。インドの暑さには参ってしまう。しかし……。いや、これは書いておかなければいけない。どんなにつらくても……。
遺跡の奥に秘密の部屋を見つけたのだ。しかも、その部屋は目もくらむような宝物であふれそうなのだ。わたしはもちろんのこと助手の二人も声が出ないほど驚いた。ああ、それにしても何てことをしてしまったのだろう。わたしたちは前後の見境もなく、宝物を運び出してしまったのだ。金銀はいうに及ばず、宝石に、像などの美術品まで。
部屋の奥に祭壇があるのを見つけたのは確か道案内役のシンだった。
「神の宝を持ち出すものは、その命であがなえ」
シンは震えた声で祭壇に書かれてあった文字を読んだ。
「宝は返した方がいい」
シンの声にうなずいたのは、わたしと将軍だけだった。二人の助手たちも荷物運びの男も素直にうなずく気はなかったようだ。そのとき、あいつが……。そう、あいつがあんなことを言い出さなければ。それにしても、なんて男だろう。欲に目がくらんだのか、もともと凶悪な男だったのか……。
しかし、なぜだ。なぜなんだ。なぜあんな残酷なことが……。しかも、心臓まで……。シンの絶叫が今でも耳に残っている。
ああ、もう、これ以上書き続けることはできない。わたしもあいつと同罪なのだ。殺人を止めることもできず、しかも持ち出した宝物の内、美術品を預かってしまったのだから……。死ぬまでわたしは罪の意識に苦しむだろう……。もし、シンがわたしの前に現れたら、どうやって罪の償いを……。
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この日記はゲームを解く上でのヒントになっています。キミには日記の持つ重要性がわかるかな。また、昭和63年6月1日から8月31日まで、ホームズ探偵事務所に電話をかけるとゲームのヒントを教えてくれるぞ。