ソフトハウス連続殺人事件
殺意の階層
このたびはHAL研究所のアドベンチャーシリーズ第1弾、「殺意の階層」をお買い上げいただきまして、まことにありがとうございます。ご使用前に取り扱いかた、使用上の注意など、この“取扱い説明書”をよくお読みいただき、正しい使用法でご愛用ください。また、この“取扱い説明書”は大切に保管して下さい。
この物語はフィクションであり、実在の人物や団体等とはいっさい関係ありません
<目次>
佐伯市高からのメッセージ パワーソフト小史 樫畠明人のプロフィール 人物紹介 登場人物対比図 コントローラーの使い方 |
命令の選び方 セーブの方法 ロードの方法 捜査解説基本編 この人はこうして捜査に失敗した!! |
<推理作家「佐伯市高」からキミへのメッセージ>
「殺意の階層」に挑む事を決めたあなたは、樫畠探偵に紹介されて彼の友人の推理作家、佐伯市高のもとを訪れた。佐伯は、あなたを迎えると、パイプをふかしながら語りだした。
じゃあ、キミはこれから、ファミコン上に展開された日本初の本格推理アドベンチャーゲームに挑戦するわけだ。それでボクのところに聞きに来たんだね。
「殺意の階層」は樫畠クンが実際に体験した事件をもとに僕が原作を書いたものなんだ。
ゲームの解き方、そんなものに王道はないよ。
いいかい。作者達が全力をこめて作ったゲームを手にしたキミは、その瞬間からゲームを解く事に全力を注がなければならなくなったのさ。
そう、全力をかたむけて捜査することだ。そうずれば、事件がある段階に達した時、作者からキミへの挑戦状が送られるだろう。
さあ、キミはどうするかな? しっぽをまいて降参し、このゲームの事を忘れてしまうかい? 弱々しく誰かに助けを求めるかい?
それとも―これが一番苦しい道だが―雄々しく挑戦を受けてたつか?
捜査に際して老婆心から忠告をひとつふたつしておこうか。
物的証拠はけっしておろそかにしてはならないが、偽造の可能性がある。無条件に信頼するのも危ないという事なのさ。
こう言うとキミは、
「物的証拠がだめというなら何があるんだ」
と思うかもしれないな。
心理的証拠があるじゃないか。
人の心の中はごまかすことができないもんだよ。覗き見るのは難しい事だが、ひとつひとつ証言を積み重ね、捜査を続けていけば、いつか隠された真実に辿りつく事もできるはずさ。
では、頑張ってくれ。縁があったらまた会おう。
<パワーソフト小史>
株式会社パワーソフト 設立……1982年 資本金……800万円 所在地……横浜市緑区 代表取締役……富野 裕 |
上記写真は本社々屋 左記写真ははパワーソフト ロゴマーク |
我社、株式会社パワーソフトは、フェアリーコンピュータ発売と期を同じくして設立されたソフトウェア開発を中心とした会社であります。 我社の開発したソフト「スーパーマルクスブラザーズ」は、おかげ様で好評を博し、フェアリーコンピュータの社会性を世に問うほどのヒット作となりました。 これからもフェアリーコンピュータはもちろんのこと、他のコンピュータシステムのソフト開発も含め、ユニークかつ、パワーのあるソフトを開発、販売していきたいと思っております。 |
代表取締役社長 富野 裕 |
<探偵・樫畠明人のプロフィール>
樫畠明人。現代日本に現存する5人の名探偵の一人。
高校生の時に学校で起こった盗難事件を解決したのが初仕事。
その後スタントマン、便利屋、などの仕事を転々としながら、偶然必然を問わずめぐりあう犯罪事件をかたはしから解決していく。
その評判のあまりの高まりに自分の探偵としての宿命を悟り、探偵事務所をひらく事になる。そこを根城に彼が繰り広げた活躍はひろく知られている。
事件を選ぶさい、樫畠は報酬を考えない。自分の趣味にあうか否かで選んで扱う。その他に警部から持ち込まれる刑事事件も扱うこともある。警視庁捜査一課の中村警部は樫畠の母方の遠い親戚。
ただの部長刑事だった彼が警部に出世できたのは明人の助けによるものであることは否定できない事実である。犯罪捜査からはなれても、二人はいいコンビであり、互いにかけがえのないパートナーになっている。
“以下樫畠明人プロフィールはB&S探偵事務所より抜粋”(1987年、法令第××30709により公開認可)、なお添付の写真は路上にて撮影、正面写真なし
調査員・オレ自身
氏名: | 樫畠 明人(かしはた あきひと) |
身長、体重: | 不明 |
職業: | 名探偵 |
学歴: | 昭和52年国立国立(くにたち)大学理学部入学 昭和53年秋同学部中退 昭和54年春同大学法学部入学 昭和56年春司法試験合格 同時に同大学から自主退学。 いわく「学問にも飽きた」 |
年齢: | 28歳 |
趣味: | ゲーム |
好きな作家: | 泡坂妻夫、竹本健治、島田荘司 |
購読誌: | 探偵マガジン、マル勝探偵、探偵通信 |
<人物紹介>
本ゲーム「殺意の階層」は、その行動がほぼパワーソフト社内にかぎられている。会社には多数の男女がおり、それぞれからいろいろな情報を得ることができる。
まずは、その会社内の人間をはあくすることから始めた方がよいだろう。別紙の人物相関(-「げーむのせつめいしょ(仮)」管理人より:このHPには別紙の「人物相関」は載せておりません。-)を利用し、それぞれの人間関係をひもとき、事件の真相をつきとめるのだ。
以下に、それらの人物のプロフィールをまとめておこう。
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<登場人物対比図>
<コントローラーの使い方>
十字ボタン | 命令の選択に使い、表示欄に、が現われた時は左右キーを押せば次の表示欄になります。 |
セレクトボタン | スタートボタンを併用してセーブモードに入ります。 |
スタートボタン | スタートボタンを押しながらセレクトボタンを押せばセーブモードに入ります(下記「セーブの方法」参照) |
Bボタン | 現在がついている命令を実際に選択します。 |
Aボタン | いま画面に表示されている命令を中止するときに押します。 |
<命令の選び方>
画面に表示される命令を選んで、捜査を進めていきます。
最初、画面には「みる」「きく」など、命令の「動詞」の部分が並んでいます。この中の一つ、たとえば「みる」を十字ボタンとBボタンで選ぶと、画面には「みることができるもの」(目的語)が表示されます。ここで見たいもの、たとえば「かばん」を十字ボタンとBボタンで選べば、「かばんを見る」ことができます。見た結果が画面に表示された後、再び画面には目的語が表示されます。
もうこれ以上「みる」ものがない、というときにはAボタンを押して下さい。画面には再び動詞のメニューが現われ、動作を選べます。
終盤、一組の命令の中から2つ以上の命令を選ぶ必要が出てきます。このときはBボタンで選択しますが、すでに選んだ命令の前にマークがつきますので、指定された個数を選んで下さい。マークがついた命令はもういちどBボタンを押すことで取り消しができ、Aボタンは全てが取り消しとなります。
<セーブの方法>
事件の捜査を途中でやめて、またあとで再開したい時は、それまでの捜査をセーブします。Aボタンを押して、「動詞」の選択画面の状態に戻ってから、スタートボタンを押しながら、セレクトボタンを押すと、セーブモードになります。
画面に表示される指示に従ってセーブする捜査名を選んでセーブして下さい。
ただし、第一日目はセーブができません。また、捜査がある段階を迎えるとセーブができなくなります。その場所では、その時点までの捜査をセーブするかどうかを決めることができます。
<ロードの方法>
一度セーブがしてあれば、ゲームを始めると、ロードモードになります。画面に表示される指示に従って、捜査名と、始めるところを選んで下さい。一度セーブした捜査名でも最初からやり直すことができます。
また、ロードモードでは、セーブされている捜査を消すこともできます。
<捜査解説:基本編>
○「事件の現場」について
ゲーム中、コマンドとして「すいりする」が出てくるような「事件の現場」に何回か行き当るでしょう。「事件の現場」には、樫畠探偵や中村警部のほか、他の警察関係者も動き回っている訳ですし、こういった人たちの調査が終わると、現場は片付けられて、証拠品等が無くなってしまうことがあります。また、「鑑識の林さん」からの情報は、「現場」でしか得られません。したがって、「現場」での調査はとくに慎重に行う必要があります。
さらに、樫畠は私立探偵としてこの事件に係わっている訳ですから、事件の新しい展開について、何らかのめどを付けなければなりません。このために、「すいりする」コマンドが用意されています。
○「樫畠探偵と中村警部の「持ち物」について
重要な証拠品(「持ち物」と呼びます)は、持ち運んで利用することで情報を得ることができます。
持ち物は、「とる」コマンドでとることができます。もっとも、その場所にいる人から断られることもあります。また、「じょうがさき」では、重要な証拠品は自動的に持ち物になります。
取った持ち物は2通りのやり方で利用できます。「みせる」コマンドで、持ち物を登場人物に見せるか、「つかう」コマンドで、持ち物の機能を発揮させるかです。例えば、CDを手に入れたとして、これをみせて「--さんのものだわ」といった情報を得たり、つかて「ビートルズの曲ですね」ということが分かったりするわけです。もちろん、必ず反応があるわけではありませんし、使うために何かが必要(CDならCDプレイヤー)になることもあります。
<この人はこうして捜査に失敗した!!>
例1 ルーズな高見××くん
「こんなゲーム、コマンドをかたっぱしから試していけば解けるよ」と考えていた高見君。「じょうがさき」の最初のシーンでひととおり調べを終えた後、「いどうする-たんていじむしょ」と選んだところ、あっけなくゲームオーバー。「ええっ、なんで?」
→ | 「殺意の階層」では「たんていじむしょ」への移動はかなり危険なコマンドです。これを選択すると、ゲームの中で一日がたってしまうばかりでなく、捜査が不十分だった場合にはその場でゲームオーバーになったり、事件の最終的な解決ができなくなってしまうこともあるのです。「もうどんなに調べても新しい事実が出てこない!」と、確信した時だけ、探偵事務所への移動を選んで下さい。 |
→ | このゲームを解くためには、あなたが超人的な記憶力をもっていない限り、捜査の結果をメモする事が必要です。ゲームの終盤で、あなたは自分の捜査がどの程度完璧だったかを試される事になりますが、あなたもそれを確実に覚えていなければなりません。例3で述べる「効率的な捜査」のためにも、必ず捜査メモを取るようにしましょう。 |
→ | 捜査には綿密さとともに計画性も必要です。「殺意の階層」では、1コマンドにつき3分の時間が経過します。樫畠探偵たちがパワーソフトで活動するのは1日8時間、そしてパワーソフトでの初期捜査は3日間しかできません。限られた時間を効率的に使うには、こんなことに注意して下さい。
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